この連載では、小学校5年生まで「勉強ゼロ」だった白川敬裕氏が、「ラ・サール高校」→「東大」→「司法試験合格」→「裁判官」→「弁護士」になった、【本物の勉強法】についてお伝えいたします。「試験」にも「仕事」にも一生使える、無理や無駄を省いた、王道の勉強法です。

「長期戦略」「短期戦略」「1DAY戦略」
で計画すると、成績がグンッと安定する

 さて、「第3回の記事」に続きまして、この「第4回」では、

【勉強に必要な3つの力】
(1)
【感情】「やる気をコントロールする力」

(2)【戦略】「計画を立てて継続する力」
(3)【思考】「自分の頭で深く考える力」

のうち、(2)【戦略】「計画を立てて継続する力」について、お伝えしたいと思います。

 勉強は、「何を目標とするのか」によって、学ぶべき内容と方法が変わります。たとえば、あなたが、「英語を習っている」とします。このとき、英語をマスターする目標として、

「海外旅行で困らない程度の英語力を身に付けたいのか?」
「外国人とビジネスができる英語力を身に付けたいのか?」
「話せなくてもいいので、英文で契約書が読める読解力を身に付けたいのか?」

といった「目指す目標」によって、勉強方法も、習得にかかる時間も、まったく変わってきます。

 したがって、「効率的に勉強を進めたい」と思ったら、まずは「目標を明確にしておく」ことが大切です。「目標が明確」になっていなければ、「目標を達成するために、何をどのように勉強すべきか」の「戦略」が決まらないでしょう

 私には、「大学在学中に司法試験に合格する」という目標がありました。司法試験の合格に必要とされる時間は、一般的に1万時間(毎日6~7時間)。
 その目標から逆算すると、当然、大学1年時から勉強をはじめなければ、合格できません。そこで「大学入学と同時に司法試験予備校に通う」という「戦略」が立てられたわけです。
 もし、「司法試験に合格する」という目標が明確になっていなかったら、私はいまごろ、弁護士になっていなかったかもしれません。

「司法試験に合格する」という目標があったとしても、「大学在学中に」という期限が定まっていなかったら、大学卒業後、何年も、何年も、「浪人」しながら、勉強し続けていたかもしれません。

 目標があるから、継続できる。
 目標があるから、我慢できる。
 目標があるから、吸収できる。
 目標があるから、集中できる。


 継続力も、忍耐力も、吸収力も、集中力も、「目標があるからこそ」引き出せるのです。目標が決まっていれば、「目標以上の無謀な勉強をして挫折」したり、反対に、
「目標にまったく届かない勉強をして時間を浪費」することが、少なくなります。

 ビジネス書を1冊読むときも、漫然と目を通すよりは、
「この1冊から、こういう知識を学びたい」
「この本を読んで、こういう疑問を解消したい」
といった目標を持ってからページをめくったほうが、本の内容が、断然、頭に入ってきやすいのです。

「目標を達成するために、何をすべきか」を考えるのが、「戦略」です。それは、わかりやすく言えば「目標のために計画を立てる」ことです。
「戦略なき行動」が必ずしも無益だとは思いませんが、「どの時期にどのような勉強をすべきか」を決めていたほうが、はるかに学習効率を高めることができるでしょう

 また、「やるべきことが明確」になっていれば、「やるべきこと」をこなしていく過程で、「今日も、イメージの中の理想の自分に一歩近づけた」とワクワクする感情を味わうことができ、継続する力をキープできるようになるでしょう。