新制度は、①患者の申し出に基づく②審査期間を抜本的に短縮③身近な医療機関でも先進医療を受診できる―――この3点が要点と、安倍首相は説く。

 その中身を点検してみる。まず、これまでの「保険外併用療養費制度」では申請に複数の患者が必要で医療機関の同意が必要だったが、患者本位の観点から一人の希望者がいればOKとした。

 その後の手続きは、①国内初の症例と②前例がある症例に分けた。

▼審査機関を従来の国の先進医療会議から、①は国の中立的な専門家会議とし②は国立がん研究センターや京大病院、慶大病院、東大病院、名古屋大病院など15の臨床研究中核病院(中核病院)に。

▼審査から承認までの期間は、従来の3~6ヵ月を①は6週間以内、②は2週間と大幅に短くした。安倍首相が期間短縮に相当拘ったと言われる。

▼患者の受診場所は、①が15ヵ所の中核病院とその連携病院で合計100ヵ所超。②は身近な地域の病院や診療所(中核病院と共同研究や医師の相互派遣を実施中)で1000ヵ所超。「身近な医療機関」も安倍首相が強調した3つの論点の一つである。

▼治療内容は、①は海外で承認した新薬や医療機器を使う、リスクの高いがんの治療や外科手術など。②は比較的リスクの少ない手術や検査で、抗がん剤でも副作用が弱いものや目の手術など。①②ともに、実施医療機関に医療の実施計画書の提出が義務付けられており、その蓄積されたデータが保険適用の可能性を高める。

 従来の「保険外併用療養費制度」と比べて、この「患者申し出療養」は確かに患者重視と審査期間の短縮や地域医療の活用など手続き緩和に踏み込んでいる。