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グーグルが画像認識ベンチャーを買収
ますます自動化技術を磨き込む

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第308回】 2014年8月20日
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 さて、ジェットパックを買収して、グーグルは何に使うのか。

 ひとつは、グーグルがますます充実させているマップに統合することが考えられるだろう。旅行者が「きれいな景色が見られるところ」と地図上で検索すれば、そうした場所がインスタグラムのユーザーの写真と一緒に表示されるといったようなことだ。

 だが、ジェットパックは、上述したように一見コンテンツ会社、あるいはメディア会社のように見えて、核心はその技術。つまりはテクノロジー企業だ。シティーガイドは、そのテクノロジーを利用したひとつの例であって、これ以外にできることはもっとたくさんあるはずだ。

 ジェットパックでは、そうしたテクノロジーをすでにアプリとして公開している。ひとつは、「スポッター(Spotter)」。これは、モノを認識するテクノロジーで、スマートフォンのカメラを向けた対象を「ギター」「車」「ソーダのボトル」などと判断する。

 もうひとつのテクノロジーは、ユーザー自身が認識させたいと考える対象を、学習させる「ディープビリーフ(Deep Belief)」である。たとえば、自分の飼い猫をスマートフォンに認識させたい場合、まずは猫をいろいろな角度から捉える。そうした後で、今度は猫でない対象を捉えて、スマートフォンに学習をさせる。その学習が終わると、スマートフォンのカメラは猫に向けられただけで、それを猫と認識した反応を示すようになるのだ。

 こうしたテクノロジーを、グーグルが他の目的に利用することも十分考えられる。グーグルはもとより画像認識やAI技術の統合を進めている。バーチャルアシスタントとしてますます賢くなっているグーグルナウに、ジェットパックのテクノロジーが加わることもあり得るし、また検索の機能向上に役立てられることもあるだろう。

 いずれにしても見えてくるのは、グーグルがますますテクノロジーの根幹を鍛えているという事実である。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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