輸出不振の背景には、中国や東南アジア諸国の景気低迷の影響に加え、かつて輸出をけん引していたエレクトロニクス産業などの消費財の競争力低下という構造的な問題もある。

 気になるのは、7~9月期の景気動向だ。消費税率10%への引き上げを狙う安倍政権としては、7~9月期の景気指標の良さをアピールして、年末の消費増税の判断に臨みたいところだ。

消費増税判断に黄信号?

 政府は「緩やかな回復基調が続いており、駆け込み需要の反動も和らぎつつある」とする見方を崩していないが、消費の底入れは長引く可能性がある。現に民間在庫は4~6月期に1%増(前期は0.5%減)となっており、在庫調整局面に突入している。夏の賞与は日本経済団体連合会の調査では前年度比8.8%増となっているが、中小企業にまで波及していない上、消費のけん引役も見当たらない。

 自動車業界からも、第1四半期の決算会見で「国内はあらためて厳しさを認識している」(マツダ)などと、慎重な見方が出てきた。消費回復は一筋縄ではいかなそうだ。

 内閣府が7月に見直した14年度の成長率見通しは1.2%増となっているが、今回大きく下振れたことで実現に黄信号がともった。となると、与党内から補正予算や追加緩和の声が出てきてもおかしくない。年末に向けて、不透明感が増してきた。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 大坪稚子)