世界的な金利低下傾向にあるのか
図表1にあるように、8月半ばに世界各国の長期金利は各地で節目となる水準を割った。日本では昨年4月以来の0.5%割れとなった。米国では再び2.5%を割っていたが、さらに2.4%のラインも突破して2.3%台まで低下した。
欧州ではドイツの金利が大台である1%を割り、さらに0.9%も破って史上最低水準を記録した。こうした状況を見て、世界的な金利低下トレンドが続いているとの見方もできる。
筆者の認識は、足元の世界的な金利低下は「日本化」の状況が世界的に波及したもので、低金利水準が予想以上に続くとの見方を裏付けるものではあるが、すでに日米は歴史的な金利の底、二番底、「ダブルボトム」を付けつつあると考える。
一方欧州の状況は、ドイツに限らずその周辺国も含め、典型的な「日本化」のなかで日本の運用スタンスがまだ通じる状況に映るだけに、まだ低下余地を残すと展望する。
欧州はまだ金利の低下余地も
日本では過去10年あまり、日本の国債が低金利で買えないと言われながらも思いのほか金利が低下した状況にあったが、今日の欧州の状況はこれと類似する。こうした状況はドイツに止まらず、欧州の周辺国にも当てはまる。
筆者がここ数年間、欧米の市場参加者と議論するなかで、「日本の投資家は債券運用がうまい」と言われたことがあった。それは、バランスシート調整下の債券運用に日本人は習熟があったからだ。