4月に消費税率が上がって、他の物品サービスも値上がりが続いている。生鮮食品に至っては、4~6月は前年比10%以上の値上がり率である。消費税を含め、帰属家賃を除いた総合物価は、4月3.9%、5月4.1%、6月4.1%、7月4.0%と高い伸びである。これでは、消費マインドが悪化するのも無理はない。
家計にとって、それに対する購買力の穴埋めは、主にサラリーマン世帯の賃金上昇に期待するしかないのが実情だ。
肝心要の賃金上昇は、2014年6月になってようやく上昇開始が確認されるようになった。最新の7月データでは、勤労者の現金給与総額は、前年比2.6%(9月2日発表の速報)の伸びになっている(図表1参照)。最近は、夏のボーナスが大きく寄与して伸び率が高まったことがわかる。
賃金上昇の牽引役は誰?
現在、賃金上昇を引っ張っているのは「誰」なのだろうか。
7月の速報段階で、限定された業種分類の中でのランキングを求めると、16業種中で最も高い伸び率になった順に並べると、(1)建設業、(2)卸売業・小売業、(3)不動産・物品賃貸業、(4)製造業、となっている(図表2参照)。
特に建設業は、特別給与の伸び率が前年比31.1%と突出して高い。2番目の卸売業・小売業も、特別給与が同14.3%、3番目の不動産・物品賃貸業が同13.7%となっている。
4番目の製造業は、特別給与の増加(同9.9%)もさることながら、所定内給与が7月の前年比2.0%と高かった。