人間の三大欲求のひとつである食欲が鈍感になっていることも問題だが、食べたいものがないと適当に済ませることになってしまう。そこに新たな問題が生じる。適当に済ませようとすれば、安い方が良いとするようになる。そうなると、口にするのは、炭水化物主体のものになりやすい。

「適当に野菜スティックだけで済ませました」

「簡単だから、チキンソテーだけで済ませました」

 そんな人にはなかなかお目にかかれないはずだ。

炭水化物過多とタンパク質不足で
不眠症リスクがアップ!

 睡眠時間が確保できていない上に、このような食生活を続けていれば不眠症のリスクも高くなる。なぜならば、このような炭水化物に偏った食生活では、睡眠ホルモン・メラトニンが分泌されるにあたって必要な材料までもが不足してしまうから。その代表的な材料となるのは「トリプトファン」という必須アミノ酸。

 この連載ではおなじみのことだが、必須アミノ酸は、体内でつくることができないアミノ酸なので、食べ物から摂らなければならない。アミノ酸を多く含むものといえばタンパク質であり、炭水化物主体の食生活で充分にカバーできるとは言い難い。トリプトファンは脳内伝達物質であるセロトニンの原料となるものを多く含み、メラトニンはこのセロトニンが酵素の働きによって作りかえられたもの。タンパク質は、ダイエットに有効なだけではない。これが不足していては、睡眠に必要な材料も揃わないのだ。そして、セロトニンが不足することによってストレスも感じやすくなる。

 もともと夜が遅い上に、ベッドに入ってからも寝つきに時間がかかったり、眠りが浅くてぐっすりと眠れない。朝起きたときに疲労感が残っている…そういったことが毎日続けば、うつ症状も引き起こしやすくなる。前述した「残業が多い、または夜間シフトがある部署では睡眠に関するトラブルが多く、ストレスや緊張も感じやすいことが見られたため、食事による改善ができないか」というような人事側のケアは、すべての企業で行われているようなことではない。該当する働き方をしているのであれば、自己管理が必要となる。