これまでの記事をお読みになると、「やっぱりネットの口コミは怖い」と思われるかもしれません。確かに現在、ネット口コミウォッチングの7割以上はリスク・バズの監視を目的としています。けれども、毎日生まれるネット口コミの中で、リスク・バズはそのごく一部にすぎません。では、ネット口コミのリスクを知りながら、積極的に活かしていくにはどうすればよいのでしょうか?
企業と消費者が
理解しあうことが第一歩
企業と消費者が同じ立場で情報を発信・受信できるようになったことで、消費者は企業の姿勢に対して、今まで以上に厳しいチェックができるようになりました。ここで大切なことは、企業と消費者の気持ちにギャップがあることです。企業にとっては些細なことでも、消費者から見ると重要な問題だったり、逆に、企業が評価してもらいたいことが、消費者から見ると大したことではなかったり…。企業と消費者の情報の受け取り方には、すれ違いが生まれています。
インターネットの普及は、一見、企業と消費者の距離を縮めてくれたように見えます。しかし、お互いが何を求めているかを誠実に知ろうとしなければ、近くにいることのメリットはまったくありません。まるで会話のない恋人同士のような関係になってしまいます。
・どうして非難されるのだろう?
・なぜ不満なのだろう?
・なぜ理解してくれないのだろう?
そう感じたら、消費者の声を聞きましょう。その声に応えていく中で、お互いの信頼関係が築かれていきます。火のないところに煙は立ちません。どこかに火がくすぶっているはずです。
「リスク・バズ」に
出会ったときの対応策
とはいえリスク・バズは発生しますから、このときの対応について考えていきたいと思います。まず、次のような対応が求められます。
(1)「クライシス・バズ」が生まれないように、発生しているリスク・バズの状況を正しく把握する
(2)「クライシス・バズ」が生まれた場合には、毅然とした対応を行う
(3)2次的なリスク・バズが発生するかどうか、状況を把握する