親の学習観の7つの勘違い(その1)

・【勘違い(1)】 勉強の問題は、速く解けなければいけない

 計算のスピードばかり追い求めると、「じっくり考える力」が置いていかれてしまいます。
 高学年になると、算数も、理科も、社会も、国語も、すべての問題が文章題です。
「じっくりと考えて答えを出す」ことができないと、文章題が苦手になってしまいます。計算力をバカにしてはもちろんいけませんが、大切なのは、思考問題に直面したときに、粘り強く考え続けられることなのです。

・【勘違い(2)】 外で遊ばせるより、本を読ませるべき

「読書」は、もちろん大切です。ですが、「学力の基礎だから」「将来の役に立つから」と説きふせて、無理やり本を読ませようとすると、かえって子どもが本から遠ざかってしまうでしょう。「親が無理やりやらせて、うまくいくこと」は、ほとんどありません。

 子どもを本好きにさせたいなら、「絵本を手はじめに本の読み聞かせをする」「親自身が本好きの行動を示す」など、「家庭の文化」の中に「本」というものを取り入れるのがいちばんです。

 読書も大事ですが、「本が読める力」と「長文読解力・精読力」はイコールではありません。
 子どもに「自分の頭で考える力」をつけさせるには、「遊び」がいちばんです。なかでも「外遊び」には、五感を刺激する体験のほか、子どものやる気や集中力を発揮させるたくさんの要素が盛り込まれているのです。

・【勘違い(3)】 「できないこと」を「できる」ようにさせるのが先決

 親は、「テストの結果」で子どもの学力を測ろうとします。ですが、結果で判断しがちな親は、子どもの点数が「85点」でも満足できません。
「85点取れた」ことよりも、「取れなかった15点」が気になり、「あと15点で100点だったのに、どうしてミスをしたの?」と、つい、子どもを責めてしまうのです。

 たとえ言葉に出さなくても、「親の表情」を見て、子どもは敏感にそれを感じ取ります。叱られたとき、人間の脳は、やる気をなくします。ですから、親は、まずは「できたこと」を褒めてあげてください。

 できなかった問題は、あとで、もう一度やらせてみればいいと思います。そして、子どもができるようになったら「できてよかったね! 頑張ったね!」と、ここでも褒めてあげる。「勉強の終わりは、いつもハッピーに」を心がけましょう。