親の学習観の7つの勘違い(その2)
・【勘違い(4)】 「ドリル」は、たくさんやらせたほうがいい
山ほどの「ドリル」を与える親がいます。すると子どもは、量をこなすだけで精一杯になり、「わからなかった問題をそのままにして、次の問題に取りかかる癖」がついてしまいます。
「ドリル」の量を減らしてもいいので、「そういうことだったのか、わかった!」と納得してから次に進んだほうが、学力が積み重なって身に付いていくのです。
・【勘違い(5)】 同じ失敗を何度もさせてはいけない
「あなたは、何回言ったらわかるの?」
「さっきも言ったでしょ!」
「ほら、また、同じところを間違えている!」
と感情的に叱りつける親は、「子どもというのは、1回言ったくらいでは、わからない」という幼児の本質に気がついていません。
何度も同じ間違いをしてしまうからこそ、「子ども」なのです。
失敗をしても、できなくても、「親の期待にこたえたい」と、心の底から思っている…、だから子どもは、「もう一度やってみよう」とチャレンジしているのです。
それなのに、親から「何度も同じ失敗をして!」と叱られ続けたら、子どもは、しだいにやる気をなくしていってしまいます。
子どもは、何度も失敗するのが当たり前です。だから、一度や二度失敗したからといって、親がカッカしないでください。「今度はできるようになろうね」と、繰り返し言いながら、もっと長い目で、子どものことを見てやることが必要なのです。
・【勘違い(6)】 ノートは「きちんと」書かせなければいけない
「きちんと主義」の親は「きちんとしなさい」が口グセです。「きちんと主義」の親は、「きちんと書く」ことや「きちんと読む」ことにこだわりすぎます。
子どものノートが汚いと、「なに、この字! 全然読めないじゃない!」と注意してしまいます。
きれいな文字を書くことも、たしかに教養のひとつです。けれど、書道の時間など、「きちんと書くべきときに、きちんと書ければいい」のであって、算数の問題を解くときは、「少しくらい汚くても、いや、ずいぶん汚くても、適度な速さで書く」ことを優先すべきです。
そうしないと、限られた時間の中で、「難しい問題」を解くことができません。
「先生の板書を、一字一句、きれいに、丁寧に、きちんと書き写す子ども」と、「多少読みにくくても、大事な要点だけを素早くノートに書く子ども」では、あきらかに後者のほうが伸びしろが大きいのです。
・【勘違い(7)】 小学校低学年も、高学年も「子育てのしかた」は同じでいい
イモ虫がサナギになり、サナギが蝶になるように、人間も、心身ともに子どもから大人に変化します。ですから、親は、子どもの変化に合わせて、接し方を変えていかなければなりません。
小学校低学年と、高学年では、「生態がまったく違う」ことを認識すべきです。
そのことに気がつかず、同じように接しているとしたら、それは、「蝶」に変わった子どもに対し、「葉っぱの上を、きちんと歩きなさい」と注意をしているようなもの。「蝶」には、「美しい飛び方」を教えなければなりません。
子どもは、おおむね「10歳(小学4年生)」くらいを境に、大きく変わります。発達段階なので個人差はもちろんありますが、子どもが変わったら、子育ても変えていかなければならないのです。
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・【第1の力】「魅力」…人が集まってくる人間としての器
・【第2の力】「体力」…すべての活動の土台となる基礎体力
・【第3の力】「やる気」…自分から楽しんで行動する力
・【第4の力】「言葉の力(国語力)」…すべての学力の土台となる力
・【第5の力】「見える力と詰める力(算数力)」…意図を読み取り粘り強く考える力
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