ストレスがかかると、副腎皮質からコルチゾールという成分が分泌されるようになるが、これはいかにもストレスと直結しそうな胃潰瘍や高血圧のみならず、糖尿病などの不調を招く。さらに、免疫力の低下も招き、先にあげたような症状が引き起こされるようになってくる。また、長時間労働の人、夜間勤務がある人、労働時間が不規則な人であれば、体内時計が乱れやすく、うつ病にかかる確率もどうしたってあがってしまう。

ヨーグルト、グレープフルーツジュース
これらは本当に心の健康に効く?

 さて、あっという間に本文の半ば近くまできてしまった。そろそろ栄養士らしいことを言わなければならない。こうしてストレスについて話すと、関連して話せる栄養の話がそれなりにある。

 たとえば、グレープフルーツジュースには、抗ストレス作用があるビタミンCが豊富に含まれている。成人のビタミンCの一日摂取基準は100㎎とされているが、グレープフルーツジュース(濃縮還元タイプ)ならコップ1杯(200ml)で補える。

 これだけを読むと、次からはコンビニ行ったらグレープフルーツジュースを選ぼうかな、なんて思うかもしれない。でも、ビタミンCは調理損失が大きく、熱や光にも弱く、保存中の時間の経過に伴って栄養分も目減りする、という性質をお伝えしたらどうだろう。ジュースになるまでに、加工され、パッケージ化され、それなりの時間が経過したものにどれほどのビタミンCが期待できるのか、と少し疑問に思わないだろうか。

 もうひとつ、この連載の中でもアクセス数が高かったキーワード“ヨーグルト”を例にあげてみる。今の時代、ヨーグルトに整腸作用があることを知らない人を探す方が大変だ。みんながみんな、「お腹に良い」「体に良い」と思って食べている。腸と脳は相関関係にあり、腸内環境をよくすることは、自律神経をととのえ、心の健康を保つ上で欠かせないファクターだ。

 しかし、整腸作用や免疫力アップに効果的とされる乳酸菌は空腹時に単品でとるよりも食後に摂った方が効率的だし、もしも動物性脂肪の摂りすぎで腸内環境が乱れている人であれば、動物性脂肪を含むヨーグルトを高い頻度で大量に食べることは逆に体に良くないかもしれない。