議会は本来どのような機能を果たすべきで、そのためにはどの程度の定数と報酬が必要なのかといった観点から議論すべきだ。定数や報酬を削減すれば議会・議員の質がアップするというほど、ことは単純ではない。

 冒頭で紹介した、愛知県豊明市のケースを検証してみよう。

 豊明市は現在、市長と議会が真っ向から対立する2元激突型の自治体となっている(連載第100回参照)。定数20の議会内をざっくり言うと、市長派6に対し反市長派が14。行財政改革を掲げて当選した市長が市政運営に四苦八苦しているのである。

市長の支持者が中心メンバーに
議員定数削減を求める4つの理由

 条例制定の署名を集めた「議員定数削減を求める市民の会」は、市長の支持者が中心メンバーだった。議員定数を20から15に5つ削減することを主張し、7月から署名集めを展開した。会は「豊明市の議員は多すぎる!」とし、会報などで4つの理由を掲げていた。

 1つは、「豊明市は近隣市と比べ市税収入が少なく、今後高齢化による医療・介護費の激増等で市財政が悪化します。議会もリストラが必要です」というものだ。

 2つめも「人口わずか7万人弱の小都市に20人もの議員、1人年間670万円の報酬は財政負担が大きすぎます。5人減らせば年間約3500万円の節約になります」と、定数を減らすことによる経費削減効果を挙げていた。

 会報は興味深い比較表を掲載していた。豊明市と近隣6市の住民1人当たりの税収や財政力指数、歳出に占める議会費の割合と議員定数を比べたものだ。豊明市は歳出に占める議会費の割合が1.43%で7市の中で最も高く、それが定数削減の理由の1つとして掲げられた。

 しかし、腑に落ちない点があった。歳出に占める議会費を減らすのならば、議員報酬を削減するという道もあるが、なぜかそれには一切触れていなかった。さらに、そもそも経費削減の視点で議員定数を論じるのはどうなのか。本来の議会・議員が果たすべき役割(現在の議会・議員が実際に果たしている役割ではない)を軽視した、視野狭窄な考え方ではないか。

 3つめは「議案質疑や政策提言もせず、不毛な政争に明け暮れる大多数の不勉強な議員は、市政に役立っていません」との主張だ。