あなたは「わが家のお金の重大3要素」が言えるか

 老後貧乏を避けるための第一歩は、「今のわが家のお金の状況」を知ることだ。私は企業の40~50代社員向けライフプランセミナーで講師を務める際に、参加者に次のような質問をしている。

(1)世帯で使っている金額が1ヵ月、1年の単位でわかりますか?
(2)昨年1年間で貯蓄できた金額がわかりますか?
(3)60歳時の住宅ローン残高はわかりますか?

 いずれも「万円単位のざっくりとした金額でいいですよ」と前置きをして尋ねると、100人の参加者がいるとすれば、手が挙がるのは(1)が5人くらい、(2)が十数人、(3)は2~3人といった具合だ。

 3つとも手を挙げられなかった人は、がく然とするようだ。その姿を見て、講師としては「しめしめ」の気分になる。この質問のあとには、参加者のやる気が格段にアップするからだ。スライドを見つめる視線とメモの取り具合が面白いように変化する。そもそも、自分の会社の決算内容や株価などはスラスラ言えるのに、「わが家のお金の重大3要素」を把握していないとは、ちょっと恥ずかしい。

 3つの質問に答えられるようになるのは、それほど難しくない。源泉徴収票と給与明細、通帳と住宅ローンの返済予定表を用意しよう。

 最初に「手取り年収」を計算する。「手取り」とは、「額面年収」から所得税・住民税と社会保険料を差し引いた金額のこと。可処分所得ともいう。意外に思うかもしれないが、「手取り年収」はどこにも記載がなく、自分で計算しない限りわからない数字なのだ。

 源泉徴収票から「支払金額(額面年収のこと)」、「源泉徴収金額(所得税のこと)」、「社会保険料等の金額(自分負担の社会保険料の金額)」の3つを拾う。住民税は源泉徴収票に記載がないので、給与明細にある住民税天引き額を12倍するか、5月頃に職場を通じて受け取る「住民税決定通知書」(横に細長い書類)の「特別徴収税額」(1年間の住民税の額)から拾う。

 それぞれ書き出して手取り年収を計算してみると、「えっ、これだけ」と驚くに違いない。たとえば、年収1000万円で、妻は専業主婦、子どもは中学生が2人の人の手取りは約728万円。手取り年収を計算するだけでも「ずいぶん引かれている」と大きな発見がある。年収別の手取り額の目安は次の通りだ。

仕事の収支と同じように「わが家の収支」も言える?<br />老後貧乏回避は「わが家のお金の重大3要素」から!