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富田直美 真説・IT考

パソコンのサポートは「HELP」か、
それとも「HELL」か?

富田直美
【第16回】 2014年10月31日
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 「富田様、謝らなくてはなりません。実はこの雌コネクターのユニットの在庫が日本に無いので、明日修理する事はできません」との話。正に“天国から地獄”へ突き落された瞬間だった。

 この時、私の友人であり、世界的なメンターかつ世界一のセールスマンを自認するジェフリー・ギトマーの言う「サービスは“HELP”を提供しなければならないのに、最初の3文字“HEL”を提供してしまい、更なるLoyal(忠誠心)を持たせるべきお客様を地獄(HELL)に落とす」という名言を思いだしてしまった。

 私は、このカスタマーサービスの担当者に、以下のことを感情的ではなく、論理的に伝えたと考えている。それは、

(1)オンサイトサービスは数日以内(原則は24時間レベル)の修理を約束しており、その対価として高額なサポート費を私は「前払いで」支払っている。
(2)約束して期間内で修理ができない場合はペナルティ対応をすべきである。

 これに対して、「仰ることは理解できますし、申し訳ないと考えておりますが、契約によれば修理部品等が無い場合は、この期間内に修理できない場合があることを明記しております…」

 とのことで、ペナライズ(ペナルティを払う)される内容では無いと言い切られた。

 唖然! このとんでもない返答に対して、私は、

(1)発売されて5年以内の(実際は2年弱)パソコンの部品が無いのは業界の常識外。
(2)PC内部の機械破壊をされにくい特殊な部品が無いことは多少の想像の内側にあるが、移動する事を前提としたラップトップのACアダプタ部分のコネクタは、物理的な破壊が最も起こる可能性のあるユニットであり、その部品が欠品しているのは言語道断である。

 こんな会話を交わし、私が、このメインのPCが私の活動で最高のパフォーマンスを出す為の命綱であり、サブマシンはあくまでのサブマシンであり、私の生産性を著しく害することを伝えたが、先方からの答えは、無いものは無いので、取り寄せてから、修理日を連絡するとのことだけだった。

 私は結局、翌日に先方から部品の手配の進捗連絡をするよう依頼したが、全く連絡が無く、その後5日間、気分を害すことが想像はできたが、日々こちらから電話をすることになった。

 その都度、サポートの受付番号がハブとなりカスタマーサービスの受付担当者は変わったが、答えは一緒で「部品がまだ在庫してない、したら人員派遣の連絡もします」であり、サービス部品がどの国に在庫しているか、それとも新規生産するのか、空輸中であるか云々の、品物のトラッキング情報等も一切知らせてくれなかった。

 これが最高のオンサイトサービスに対する世界的規模のメーカーの対応である。

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新しいIT技術に基づく製品やサービスは、人間、社会にどんな影響(ポジティブ、ネガティブ)を与えるのか? 先端IT企業9社の経営経験を経て、現在は名門シンクタンクの理事を務め、大学で人間力を教える著者が、わかりにくいITとIT業界の動きを人間力によって立つ問題意識を元に考察する。

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