ファミリーマートが今期の出店計画を下方修正したが、大量出店は変えない方針だ。出店コストの急増や新店日販の落ち込みなど危うさをはらんでいるにもかかわらずだ。

 やはり、積極出店は背伸びし過ぎた計画ではなかったか──。

 コンビニエンスストア業界3位のファミリーマートは10月8日、今期の出店計画を300店減の1300店へと下方修正した。

 当初計画の1600店(2013年度実績は1355店)はもちろん過去最高で、業界首位のセブン-イレブンと並ぶペース。業界2位のローソンの1100店を大きく上回り、中山勇社長は「ファミリーマートは本気で勝ちに行く挑戦者だ」とぶち上げていた。

 しかし、14年度上半期の出店数は597店。過去最高だったものの、当初計画からは下振れする結果で、中山社長は「採算性を重視していくため」と下方修正の理由について説明した。

 出店計画にブレーキをかけざるを得なかった背景の一つは、出店コストの急増である。大手3社が出店攻勢を強めた結果、国内のコンビニ店舗数は今年に入り増加の一途をたどっている。日本フランチャイズチェーン協会によると、9月末時点で前年同月比5.3%増の5万1363店まで達した。

 大手3社が、優良出店地を確保するための“陣取り合戦”を激化させているため、ファミリーマートの今期の1店舗当たりの出店コストは約5200万円と、前期の約4700万円から大幅にアップ。とりわけ目立った上昇を見せているのが賃料で「数百万円上昇している」(中山社長)。

 出店コストの増加について、中山社長は「想定の範囲内。予算内の運用をしている」と説明しているが、積極出店の反動は、業績面へ影響を及ぼし始めている。