安倍首相は、本当は経済になんか興味はありません。やりたいことはほかにある。しかし、経済政策を建前にして選挙をやろうとしている。非常にひきょうなやり方だと思います。

──本来、選挙で争点にすべき日本の喫緊の課題は何でしょうか。

 間違いなく、少子化です。日本は先進国の中で最も早く人口ボーナス期が終わり、人口オーナス期に突入しました。放っておくと、就業人口が年間30万人ずつ減っていきます。すなわち、税金を払う人が減っていくということです。

 世界最大の政府債務を抱えているのに、税収は減っていく。それでは返済できるわけがありません。日本を揺るがす財政問題の震源には、少子化問題があるんです。

 安倍首相は、少子化について3つのことを言っています。

 第一に、合計特殊出生率を1.41からできれば1.8ぐらいにしようということ。ただ、2にならないと少子化は止まりません。

 第二に、これはネガティブな発言ですが、移民政策についてです。普通の国なら、ここまで少子化が進んでしまったら移民を入れます。移民というのは、スイスやシンガポールしかり、オーストラリアしかりで、国を活性化させるんです。競争心を高めますから。米国が典型です。でも安倍首相は、「いわゆる移民政策はしない」とはっきり言っています。

 その代わり、特区で暮らす外国人が、外国人の家政婦を雇うことは認めると言ってるんです。これでは話にならない。2020年までに女性管理職を全体の30%にするという目標を掲げるのなら、外国人の家政婦を例外なく受け入れないととても達成できないでしょう。それなのに、安倍首相は移民を入れないと言っている。一体、子どもを増やしたいのか増やしたくないのか、よく分かりません。

 この後も大前氏は、少子化対策で成功したフランスの事例を紹介しながら、その重要性を説きます。続きは本誌でじっくりとご覧ください。