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データサイエンティストの冒険

私が“データ先進国”米国にわたる理由

工藤卓哉 [アクセンチュア]
【第14回】 2014年12月24日
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 アマゾンのような突出した大企業は自分たちの力で自社のサプライチェーンを最適化できますが、私たちの見る限り、一般の企業や行政府にそうした手法が行き届いていないのが現状です。こうしたある種の間隙を埋めるサービスを、本場アメリカで提供できれば、日本発のアナリティクスソリューションが世界で展開される可能性が一気に拡がるのではないかと考えました。

 データ先進国アメリカでの事例をつくり日本に持ち込むだけでなく、日本発のソリューションをアメリカから発信できれば、日本のソリューションを世界に広めるきっかけをつくることができるかもしれません。

 実際、今回の出張で訪問でも大きな商談につながりそうなお話をいくつもいただくことができ、非常に現実性が高いと感じています。

訪日外国人観光客向けの
一大Wi-Fiプロジェクトが始動

 こうした海外での取り組みと並行して、国内でもワイヤ・アンド・ワイヤレス株式会社(Wi2)と共同し、国内有力企業や自治体と共に、「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」プロジェクトが旗揚げされました。

 このプロジェクトは、2020年に向けて増加する訪日外国人観光客向けのインバウンド ビジネスを活性化させることを目的としたプロジェクトです。

 仕組みは、来日した外国人がTRAVEL JAPAN Wi-Fiのアプリをスマートフォンやタブレットにダウンロードし、個人情報保護法に基づいた利用規約に同意することで、全国24万ヵ所以上にWi-Fiスポットを持つWi2の Wi-Fiサービスに無償で接続することが可能になります。

 またTRAVEL JAPAN Wi-Fiプロジェクトに参画する企業や自治体からは、ユーザの位置情報や時間に基づいて、旅行や観光に役立つお薦め情報、サービスや製品、さらにはクーポンやポイント特典等の情報が提供されます。

 ポイントはここだけではありません。アクセンチュアは人工知能技術などのアナリティクス手法を活用して、プロジェクトに参画する企業や自治体に対して分析レポートを提供します。例えば、空港を出た訪日外国人が、どのルートでどこに立ち寄ったか、どこの地域/地区に、どの属性の外国人観光客の方が多く訪れているかなどのレポートになります。

 これによって、参画企業や自治体は、増加する訪日外国人観光客に対して、より一層精度を高めた効果的なプロモーション施策の策定が可能になるでしょう。

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工藤卓哉
[アクセンチュア]

Accenture Data Science Center of Excellence グローバル統括 兼
アクセンチュア アプライド・インテリジェンス マネジング・ディレクター
ARISE analytics Chief Science Officer (CSO)

慶應義塾大学を卒業しアクセンチュアに入社。コンサルタントとして活躍後、コロンビア大学国際公共政策大学院で学ぶため退職。同大学院で修士号を取得後、ブルームバーグ市長政権下のニューヨーク市で統計ディレクター職を歴任。在任中、カーネギーメロン工科大学情報技術科学大学院で修士号の取得も果たす。2011年にアクセンチュアに復職。 2016年11月より現職。 データサイエンスに関する数多くの著書、寄稿の執筆、講演活動を実施。


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近年テクノロジーと数理モデルによってもたらされるアナリティクスが、ビジネスを大きく変えようとしている。データの高度な活用から次の打ち手を見出す力、アナリティクスの決定的な優位性を最前線から解説する。

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