

しかし、そもそもIoTと似たような話はこれまでにもあった。10年ほど前には日立製作所などがRFID(無線のチップで人やモノなどを識別、管理する。非接触でデータの読み書きをする)の普及に積極的だった。
それゆえに長くIT業界にいたり、企業のIT部門に在籍する人にとっては「またか」の感もあるだろう。しかし、2014年になってこれほど注目を集めているのは、IoTにとって重要なセンサー技術が安価になるなどの、IoTを構成するあらゆる条件が整ったからだ。(『IoTが普及していく条件は整った 事業創造へCIOの気概が問われている――城田真琴・野村総合研究所上席研究員』)
IoTはGEのような製造業だけではなく、小売業や運輸業界など、あらゆる産業に大きな影響を及ぼすことは間違いないだろう。この動きに、世界はすでに具体的な対策をとり始めている。
際立つのがドイツ。「インダストリー4.0」というプロジェクトがあり、政府が産業界、学術界などと歩調を合わせて、産業の競争力を上げる取り組みを始めている。日本は12月に経済産業省が委員会を立ち上げたばかり。世界の流れから遅れていることは間違いない。
日本の製造業は精巧なハードウェアをつくることで発展してきた。多くの企業が発想の原点を見直し、ビジネスモデルの転換も厭わないような変化を強いられる可能性があるだろう。(『常識を疑い、新たな“ストーリー”を考え出せ IoTは業界構造をひっくり返す産業革命をもたらす――池田武史・ガートナー ジャパン リサーチ ディレクター』)
ものづくり文化を本当の意味で転換しなければならないきっかけ、それがIoTなのかもしれない。(『注目度急上昇中の「IoT」とはそもそも何者か? 企業が肝に銘じるべき“モノづくり文化”の転換点』)