例えば、毎期1億円の利益が出ているような会社で、ある期で9億円の繰越欠損金が出た場合は、その期を含めて9年間は税金を一切払わなくてよいのです(平成26年度現在)。

土地・建物は子会社をつくって売却せよ

 さて、オフバランスをするときによく相談されることが4つあります。次のように言ってくる企業が多いです。それぞれ、どのように指導していくのか述べていきましょう。

(1)「買ってくれるところがありません」
 含み損を抱えた物件は、どれだけ時間をかけても売り手が見つからない、あるいは価格交渉がうまくいかず、破談になることがあります。そういう場合には、「子会社に売却したらどうですか?」と提案しています。すると、「子会社にお金なんかありません!」と言うのです。お金がないなら借りればいいではありませんか。親会社が保証をして、銀行から資金調達をすればいいのです。

(2)「銀行から難色を示されています」
「売りたい土地は、銀行に担保に入れているので、銀行から反対されます」と言う経営者がいます。それなら、有償解除をすればいいのです。

 中小企業のなかには、借入に対して自社が持つ土地や建物を担保に入れているところがあります。その担保物件を売却するには、銀行にお願いして、担保を外してもらわなければなりません。

 しかし、昔に設定した担保物件は、いまや価値が下がっていて、その売却代金だけでは現在の借入金全額を返済できない場合があります。そのようなときには、売却代金では返済できない不足額を含めて、新たに借り換えることで対応するのです。これなら銀行にも協力してもらえます。これを銀行用語で「有償解除」と言います。

(3)「顧問税理士から、できないと言われました」
 さて、これで(1)と(2)は解決できました。すると、今度は「でも、子会社はわが社の100%子会社なので、税理士から『そこには売れない』と言われています。グループ内だと、なんとかかんとかで……」という新たな問題が発生します。

 オフバランスをしようとすると、税理士からよくこの反論が出てきます。「グループ法人税制」なる制度があるのです。これは、平成22年10月から適用された制度で、100%子会社に対して資産を売却したときに発生する損失は、税務上で損金にできない(否認される)、つまり、節税ができないという制度なのです。

 しかし、これにもきちんとした対策があります。1%だけでもよいので、同族外の誰かに株式を持ってもらえばいいのです。そうすれば、100%子会社ではなくなります。1%を誰かに持たせても、会社を経営するうえでは、何も怖くありません。信頼できる人に持ってもらうことです。もしいなければ、顧問税理士でもいいでしょう。あるいは、持株会をつくり、そこに株式を持たせるのも1つの手です(この場合は5%がいいでしょう)。