事業戦略のなかでの「MX-5/ロードスター」
ブランディングの中核であり、顧客との接点

 マツダはいま、とても元気だ。クルマからも、社員からも、やる気を感じる。

 なぜなら、「SKYACITV」「魂動デザイン」「ものづくり革新」の三本柱が奏功し、マツダ車のイメージに統一性が生まれてきたからだ。

 そうしたなか、「CX-5」「アテンザ」「アクセラ」「デミオ」、さらに今年2月発売予定の新生「CX-3」と続く第六世代モデルラインナップの“トリ”となる「ND」は、マツダの未来を占うための重要な商材である。

 今回スペインで感じたように、「ND」は実に楽しき乗り物である。
 だが、事業としてマツダを見ると、まだまだ大きな課題を抱えている。

 まずは、「MX-5」の累積販売台数でも世界で最も多いアメリカ市場の立て直しだ。日系ビッグ3と販売総数で差があるのは致し方ないが、スバルの快進撃を傍観している状況だ。

 日本では、首都圏の販売網の再編成が必須。80年代の多ブランド化戦略の影響を未だに引きずっている。

 そしてエンジン工場が稼働し、さらにはトランスミッション工場の建設が進むタイ。日本以外で唯一フル生産体制となるこの地で、ASEAN及び新興国市場向けの事業戦略を確実に実行しなければならない。

 こうした状況下で、「ND」の役割とは、マツダのブランドリーダーとして、顧客との接点になることだ。

 ちなみに、バルセロナ市街には期間限定で「マツダ・ブランドスペース」が設置されている。ディーラーではなく、あくまでもマツダをより多くの人に知ってもらうための空間だ。

 日本でも是非、こうしたトライをしてほしい。首都圏の人の多くが、マツダが広島の会社であることすら、知らないのだから……。日本でも「ND」を中核とした新たなブランド戦略を推進するべきだ。

「ND」こと、マツダ「ロードスター」。日本の「モノ作りの誇り」として、世界で活躍することを願う。