社会保険上の扶養になり保険料を払わなくてもいいのは健康保険だけではなく、公的年金も同様だ。下図(1)のように被扶養者の健康保険は夫の加入する健康保険により異なるが、公的年金に関しては一様に「国民年金の第3号被保険者」の扱いになる。

 保険料を自ら負担しなくても国民年金に加入し保険料を納付したことになる「第3号被保険者」の収入要件は、健康保険と同様に「130万円未満」である(かつ生計が維持されていることも要件)。

 日本年金機構のHPには「年間収入とは、過去における収入のことではなく、被扶養者に該当する時点及び認定された日以降の年間の見込額収入のことをいいます(給与所得等の収入がある場合、月額10万8333円以下)」とある(日本年金機構のHP 「国民年金第2号被保険者が配偶者を扶養にするときの手続き」より一部抜粋)。

 協会けんぽも「収入は過去ではなく今後の見込み収入で判定」としているので、夫の健康保険が協会けんぽなら、妻が仕事を辞めた時点で130万円以上の収入があったとしても、国民年金の第3号被保険者、健康保険の被扶養者になることができる(つまり、妻は自ら保険料を負担しなくてすむ)。

 では、夫の健康保険が「1月から辞めた時点までの収入が130万円未満かどうかで判定(過去の収入で判定)」する健保組合だったとすると、どうなるのだろう。たとえば、妻が6月末に退職をし、1~6月までの収入が130万円以上あるケース。それぞれのルールに当てはめると、健保組合の被扶養者にはなれないが、年金については第3号保険者になることができるはずだ。

 しかし、実際には「年金だけは扶養に入った」ケースは少ない。多くの企業は「健保組合の被扶養者の基準を満たしたとき、合わせて年金の第3号の届け出をする」といった実務をとっているからだ。