公務員講座など資格試験の専門家にして弁護士の豊泉裕隆が、公務員への就職・転職を目指す人のために、役立つ情報を提供する連載の第7回。前回、公務員試験の一次試験内容を紹介したのに続き、今回は二次試験について。
みなさんこんにちは、弁護士の豊泉裕隆です。今回は、公務員試験の二次試験の内容についてお話します。前回お話した一次試験だけでも結構なボリュームでしたが、その上まだ試験をやるんですね……。でもこれを越えれば「公務員のおいしさ」を味わえるわけですから、是非とも頑張っていただきたいと思います!
それでは、本題に入っていきます。二次試験の内容ですが、論文試験、専門記述試験、面接試験などが課されます。もちろん、必ずしも全部を実施するというわけではなく、論文試験や専門記述試験については、実施しない職種もあります(論文試験や専門記述試験を一次試験で課してしまう職種もあります)。前回の一次試験と合わせてまとめると、以下の図のような感じです。
まず論文試験ですが、課題が出されてそれについて1000文字程度の論文を書く、といった形式で実施するところが多いです。課題の内容としては、現代社会における行政の役割や課題、経済や社会の諸問題といったものが多いです。
とは言っても、なかなか具体的なイメージがわかないですよね。とりあえず新聞やニュースを端から読んでいけばいいのかな? 自分で答案を書きまくればいいのかな? そんなことを考えた人もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そんな時間はありません! 前回も今回も、私は「時間」ということをうるさく言っていますが、公務員試験は時間との戦いです! 公務員試験は、試験科目も試験内容も多すぎるんですよね……。
論文試験については、問題と模範答案が付いている「書き方本」を1冊買ってしまって、それを読み込んでいくのが一番の近道です。 前回「過去問集は読み物」といった話をしましたが、同様に「模範答案集も読み物」といえます。
次に専門記述試験ですが、一次試験でも出題された専門試験の科目について、800~1200文字程度の論文を書くといった形式で実施するところが多いです。出題される科目としては、憲法と経済学を出題する職種が多く、次いで政治学・行政学のような行政系科目、行政法・民法のような法律系科目、財政学・会計学のような経済系科目などが挙げられます。
専門記述試験についても、論文試験と同様に、問題と模範答案が付いている「書き方本」を1冊買って、それを読み込んでいきましょう。専門記述試験の場合、基になる知識は択一式試験の学習で身に付いているでしょうから、なおさら模範答案の読込みで対応できるでしょう。
最後に面接試験ですが、個別面接、集団討論、グループワーク、集団面接など色々な形式があります。
まず個別面接ですが、これはほとんどの職種で実施されています。聞かれる内容は、志望動機、取り組みたい仕事や業務、自己PR、趣味や特技などです。個別面接では、主に人柄や会話能力などがチェックされます。
次に集団討論ですが、受験者が6~12人程度のグループを組んで、与えられた課題について集団で討論し、結論をまとめる形で行われます。集団討論では、その討論にどのように参加し、どの点で貢献ができたかが評価の対象となります。
次にグループワークですが、これはグループを組んで「企画書を完成させる」といった課題に取り組んでいくものです。これも集団討論と同様、その課題にどのように参加し、どの点で貢献ができたかが評価の対象となります。
最後に集団面接ですが、これは3~8人程度の受験者が一緒に面接を行うものです。試験官からの同一の質問に対して、挙手もしくは順番で答えていきます。集団なので気が楽という面もありますが、その場で他の受験生と比較されてしまいますので、その意味では厳しいとも言えます。
さて、前回は一次試験、今回は二次試験と、簡単に概要を説明させていただきました。公務員試験の正体が少しでもつかめれば幸いです。
次回は、公務員試験っていつやるの?というテーマで、公務員試験の実施時期とそこに至るまでの学習スケジュールについてお話します。それではみなさん、次回も是非ご覧ください!