奨学金を借りて
子どもは本当に返済できるのか

 注意したいのが奨学金の利用だ。現在、大学生の約半数が日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金を利用している。奨学金といえども返済義務のある「貸与型」なら「借金」だ。奨学金は教育ローンと違って、「子どもが借りて子どもが返す」のが原則。大学生の2人に1人が利用するほど「ポピュラー」になっていること自体が怖いことだと思う。

 地方に講演に行った際、終了後に地元の女性と雑談していると「子どもが東京の大学に行きたいと言い出して…。学費は何とか貯めたけれど、仕送りまではとても無理なので地元の学校じゃないとダメと言ったら、子どもが『奨学金を借りればいい、卒業したら自分で返す。友達もみんな借りる』と言うのですが、私は返せると思えないのですよ」と苦笑いしていた。

 高校生の子どもにしてみると「ゲームが欲しい、みんな持っている」、「スマホに買い換えたい。クラスのみんなもそうしている」みたいな感覚なのだろう。ゲームやスマホは親のお金で買うけれど、奨学金は卒業後に自分で返済していかなくてはならない。子どもの言葉に乗せられて借りてしまう前に、親子できちんと話し合うことが必要だ。

 たとえば、日本学生支援機構の奨学金を入学時に50万円、その後仕送り代わりに月12万円を4年間借りると総額は626万円にもなる。卒業後20年間で返済すると月約2万8000円だ。この金額が返済できるかどうか、高校生にはイメージできないので、親がしっかり説明をする。

 大卒の初任給は20万円前後、税金や社会保険料を差し引かれると手取りは17万円程度。家賃や光熱費、通信費、食費、交際費と支出額を積み上げていくと、2万8000円を返済していくことが簡単ではないことがわかる。返済を優先すると、将来のための貯蓄ができなくなるだろう。

 私のもとへ来る相談者の中にも「子どもが払えないから、親が払うことにしています」という50代がちらほら出てきている。東京在住でも、子ども1人200万~300万円、2人で400万~600万円の借入額になっているケースは少なくない。「給料が少なくてかわいそうだから」と親が返済を肩代わりすると、老後の家計に大きな影響を与えることになる。

 国の教育ローンなら日本政策金融公庫、奨学金なら日本学生支援機構のHPで返済シミュレーションができるので、それをもとに借りる前に親子でよく話し合うことが大事である。

―― 今週のミッション!――
 
◆子どもの教育費を「年単位」で書き出してみよう!

 
◆教育ローンや奨学金を利用するなら、借りる前に親子でよく話し合ってみよう!