軽自動車の位置づけが高まる中で、軽自動車生産・販売の構図はここへ来て大きく変わった。かつて日本の乗用車メーカー8社のうち「軽メーカー」と言われてきたのはスズキ、ダイハツ、三菱自、マツダ、スバル、ホンダの6社だった。このうち、軽自動車生産からマツダ、スバルが撤退。一方でトヨタ、日産が軽自動車販売にも乗り出した。マツダ、スバルは生産を止めたが、スズキ、ダイハツからOEM(相手先ブランド製造供給)による販売を継続している。今や乗用車8社全てが、軽自動車販売を扱う時代に変わった。

 それだけ、軽自動車が自動車販売店の品揃えに欠かせなくなったわけである。日産は、冒頭の新車販売ベスト10に三菱自からのOEMである「デイズ」が4位に入り、自社生産車をさしおいて日産の最量販車となっている。三菱自との共同開発に加え、近い時期に軽自動車の自社生産に踏み切ることになりそうだ。

 ホンダも一時期、軽自動車を軽視していた向きもあったが、リーマンショックを機に国内軽自動車の開発・生産を大転換して、国内市場シェアを伸ばした。一方でスズキ、トヨタをバックとするダイハツのトップ争いは熾烈で、2014年は年間でスズキ、年度でダイハツがトップとなった。

 その軽自動車だが、4月から地方税である軽自動車税が増税となり、逆風も吹いている。軽自動車をベースにした税制面の簡素化、タックスオンタックスの改正などの道が正当な論理性だが、やはり「売れているから取れるところから取る」という論理で、軽自動車がターゲットにされたのか。

「ガラパゴス軽」から
「グローバル軽」へと進化できるか?

 今後の軽自動車の行方だが、やはり何と言っても、日本独自の規格による軽自動車が将来にわたって存続していけるかという点が焦点となる。グローバル化が進み、ゴリ押しではあるがTPP交渉下で米国が行っているような主張は、軽自動車の位置付けが高まるほど、海外から顕在化することもあろう。

 だが、「軽ガラパゴス現象」と揶揄する見方は、短絡的に過ぎないのではないか。軽自動車のモノづくりについては、ダイハツの合理的かつ効率的な「小さいクルマづくり」に、親会社のトヨタが驚嘆したという事実がある。かねてから排気量660ccエンジンをボアアップして海外展開してきた軽自動車。グローバル戦略としては、800ccとか1000ccが欲しいとの見方が強いのも確か。だが、国内での軽自動車規格がこれ以上拡大すると、軽自動車ではなくなるという事情がある。

 軽自動車をベースに、早くからインドに生産面で進出してトップシェアを維持し続けるスズキ、インドネシアで高い実績を誇るダイハツを見ると、今後も新興国地域で軽自動車のモノづくりは生かされていくはずだ。「日本固有だから云々より、それぞれの国々で個性があっていいし、小さなクルマでいいものを供給することを貫く」という、鈴木修・スズキ会長の軽自動車への信念に共感する。