生きることは「人様のお役にたつ」こと

 以前、講演会後の「分かち合い」が終わったあと、みなさんとの握手が始まり、ざっと長い列がつながりました。
 だいぶ進んできたところに、男性がいきなり立ち上がって、「命とは何ですか?」と聞きます。

 いきなりのことで考えもつきませんが、わたしの口からとっさに出たのは「生きることです」。
 「生きるとは何ですか?」
 間髪入れずに問い返されます。

 「人は人様のお役に立つように生まれてきたと言いますから、生きるということは人のお役に立つことですね」

 と答えると、「はい」とはっきりとおっしゃって去っていかれました。

 忘れられないやりとりですが、思い返してもなお、わたしたちは人様のお役に立つように生きていかないといけないことを強く思います。

今ほど大切なことはない

 言葉は便利ですが、行動は深いものです。
言葉を越えた行動は魂に響きます。でも自分の思いでやるのではなく、その人がいま何を必要としているのか、静かに心をかけながら、差し出すときはさりげなく。
 そうした奉仕の気持ちを持ちながら、わたしはやっぱり今を生きることに心を向けていきたい。
 震災や病気は、いつどこで起こるかわからないことですから、先に希望や夢などいいことを考えて、まっすぐに進もうとしても、うまくいきません。
今ほど大切なことはないのです。
今を感謝して、素直に透明になって真実に生きていると目的に通じていく、そう確信しています。