創続総合研究所
節税20年の計
【第4回】 2015年4月17日
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北山雅一 [キャピタル・アセット・プランニング代表取締役社長]

相続節税の王道「生命保険の非課税枠の活用」
【働き盛り世代の余裕資金を作る法】

親の保険も見直そう

 威力絶大の生命保険ですが、驚くことに相続税を申告した人の76%は生命保険の非課税枠を使い切っていません。

 日本人は生命保険が大好き。世帯加入率は9割を超えています。加入金額も世帯主なら約1700万円が平均。それなのに、相続税を申告した4件に3件が、わずか「500万円×法定相続人の数」の非課税を使い切れていないのです。

 なぜこんなことが起きているのでしょうか? 「制度の存在を知らない」「まさか相続税の課税対象となるほど財産があると思わなかった」「とにかく保険が嫌い」……。

 理由はいろいろ考えられますが、中でも多いのが、定期保険が満期になったまま新しい保険に加入していなかったり、一定期間だけ保険金額が増額される定期特約付終身保険の特約期間が終了して保険金額がぐっと減っていたりというケースです。

 これでは相続税対策にはなりません。相続対策に使うのであれば、生命保険は終身型を選ぶのがセオリーです。

 とは言っても、高齢になれば健康上の理由で入りたくても入れないことが少なくありません。実際、それで加入を諦めているケースもよく見られます。

 しかし、健康状態に関わらず、高齢でも加入できる可能性がある保険もあります。直前対策によく使われるのが、一時払終身保険と一時払年金保険です。年金保険も年金受取開始前に被保険者が亡くなれば死亡給付金が支払われるので、終身保険と同様の効果が得られます。

 一時払いにするメリットは手持ちの現金をいっぺんに減らし、その分、相続財産を圧縮できる点。どちらも80歳を過ぎても入れたり、健康状態に関する告知が不要だったりする商品があるので、非課税枠に余裕があるなら直前対策として検討する価値は大いにあります。

 親御さんの保険証券を一度チェックしてみることをおすすめします。

非課税枠は「3度」使い切る

前回説明した資産保有会社などの法人を使えば、生命保険の非課税枠はさらに拡大させることができます。

 会社から役員に支払われる死亡退職金には法定相続人1人当たり500万円の非課税枠が適用されるためで、例えば、前述の相続人が妻と子ども2人のケースなら1500万円までが非課税になります。一次相続で1500万円、二次相続で1000万円、役員死亡退職金として1500万円。全部で3回、計4000万円の非課税枠があることになります。

 会社が支払う死亡退職金は必ずしも保険を使う必要はなく、積み立てて内部留保してもいいのですが、その場合は保険と異なり支払った保険料にならないため、ほとんどの会社が保険を活用しています。

 経費化(損金算入)できる割合は保険商品によって異なります。個人が相続税対策として使うのならば終身保険と説明しましたが、法人が保険金を受け取る契約の場合、終身保険の保険料はその全額を資産計上しなければならず、法人税の節税にはつながりません。

 一方、定期保険やガン保険の場合は、保険料の一部または全部を経費化できるものもあります。損金参入できる割合や期間は、契約形態や被保険者の年齢、保険期間によって異なるので、詳しくは保険会社や代理店に問い合わせてみてください。

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北山雅一[キャピタル・アセット・プランニング代表取締役社長]

キャピタル・アセット・プランニング代表取締役社長、公認会計士。1957年生まれ。79年慶應義塾大学商学部卒業。公認会計士として大手監査法人に勤務。90年キャピタル・アセット・プランニング設立。同社は生保・金融機関向けの営業支援システム、資産管理プラットフォームで独自のポジションを築いている。 ホームページ http://www.coole.jp/index.html

 

 


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働き盛りの現役世代にとって、相続税は他人事――そんなことでは「納税しなくて済んだはず」の相続税を支払い、国を喜ばせてしまいます。資産を守るには、確かな情報と知識が欠かせません。
独自のノウハウと戦略で「顧客の資産を守る」キャピタル・アセット・プランニングの北山雅一社長が、20年計画で取り組む「ファミリーが幸せになるためのタックスプランニング」を伝授します。

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