3月24日は、日本の政治ジャーナリズムにとっては記念すべき日となった。

 この夜、公設秘書の起訴を受けて、小沢一郎民主党代表が記者会見を行なった。3月3日の逮捕以来、4週連続の会見となる。

 普段の小沢代表の会見はとても褒められたものではない。質問を遮り、気に食わない相手には露骨に敵意を見せる。場合によっては記者会見を開かないこともある。いやむしろ定例会見をキャンセルする方がずっと多かったように記憶している。

 ところが、政治資金規正法違反による公設秘書の逮捕があった3月3日以降は、別人のような変貌を遂げた。定例の記者会見のみならず、ぶら下がりにも応じ、少なくとも説明責任を果たそうという姿勢だけは見せ続けたのである。

 もちろん、追い詰められて、釈明に追われた会見であったことは否定できない。それでも、記者クラブの記者のみならず、筆者のようなフリーランス、雑誌記者、海外メディアを自由に参加させ、平等に質問の機会を与え続けたことは、画期的だった。

 少なくともそれによって想定される、厳しい質問に晒されて立ち往生し、進退に発展する環境だけは提供してきたわけである。

 実際、記者クラブではあまり聞かれない厳しい質問もあった。

 たとえば、最初(3月4日)の記者会見、筆者の次の質問は厳しいもののひとつになったと思う。

〈(小沢事務所には)政治団体(から)の献金や金額をチェックする機能はあるのか〉

 「チェックつうのはどういう意味ですか」

〈(政治団体から政治資金団体の陸山会に直接)献金を受けてますよね〉

 「はい、はい」

〈(たとえば小口の個人献金者ならばまだしも、4年間で2100万円という決して小さい額でない大口献金者がいったい誰であるのかを調べるのは自然なことだと思いますが、そうした)大きな金額の背景を小沢代表事務所では調べないのか〉