計測される意識が安全運転につながる
保険料減額以上のメリットが強み

「本人の努力が保険料により確実に反映されることが今までの自動車保険にはない特徴。事故が少なくなれば保険会社の支払いも減り、社会にとっても有益。まさに本人、保険会社、社会にメリットがある“三方良し”の商品」と、ソニー損保自動車商品部の安田和義部長は指摘する。

走行距離や運転技術で保険料が変わる<br />「テレマティクス保険」は日本でも普及するか?加速や減速といった運転技術が表示される、ソニー損保のPHYD保険の専用端末。計測されている意識から、自然と運転技術が向上するという”副産物”もある

 小型計測器は通信機能がないため、厳密に言えばテレマ保険ではない。しかし、PHYD型を世に送り出すために、コストを最小限に抑えた現実的な仕組みを作ったことは、評価に値するだろう。「これはあくまで2015年のモデル。今後は現行商品の展開と平行して、次のモデルも検討していく」と、安田部長は話す。

 本場の英国では、自動車保険全体に占めるテレマ保険の割合が、現在の5%程度から2020年には約40%に伸びるという予測もある。では、日本では同じように本格的に普及するのだろうか−−。そこは懐疑的な見方が多いようだ。

 理由の1つは、日本の自動車保険では既に事故歴に応じて保険料が割引、割増される「等級制度」が標準化されているからだ。最初は6等級からスタートし、無事故を続ければ1つずつ等級が上がっていく。最高の20等級になれば63%の割引となる。加えて、若者の保険料が欧米に比べてそれほど高くないという事情もある。

 ただし、現行の等級制度に加えてテレマ保険の割引率は適用されるため、「少しでも安い商品を買いたい」という節約志向から、ある程度の広がりは見せるだろう。等級が上がっていない若い世代、安全運転を心がけているドライバー、新し物好きなどを中心に、当分は“ニッチな保険”として、緩やかに加入者が増えていきそうだ。

(大来 俊/5時から作家塾(R))