やはり最悪の事態は招いてはいけない。テロ、そして犯罪。これを未然に防げる方法を作ったうえで、ビジネスを阻害するような規制は作らない。規制というのは本当に使いようで、うまく規制をしっかりやれば、むしろ産業の発展に寄与できる。それをどうやってできるか、そこの意識をしっかりと入れながら、安全、そして産業としての可能性の両方をしっかり見てやっていきたい。

──先日15歳の少年が逮捕された。規制の難しい面が見えてくるが

 新しいものをやってみたいという若い人の気持ちは、ドローンにかぎらずあると思う。だけども、それをどうやったら悪用するんではなくて、健全な発展の社会のために使ってもらうのか。これが精神論なのかクリアできる問題なのか、それとも制度によってそれは担保すべきものなのか、さまざま議論はあると思うが、これはどう考えても防げない面もあるということは、これ覚悟しなきゃいけない。それらをすべて、もし規制とか制度で防ごうと思ったら、イノベーションなんか産まれないですよ。イノベーションって破壊的創造ですから。(中略)日本はこれから人口減少と少子化で、イノベーションしなければ、イノベーションを次々に起こさなければ、社会の持続的発展はない。若い人の自由な発想は決して阻害してはいけない。

社会問題解決で重要なのは“組み合わせ”
1つの方法に頼ると思わぬ副作用があり得る

 引用が長くなりましたが、私が小泉政務官のコメントを高く評価するのは、人気の高い若手政治家だからではありません。一つの「解答例」として見た場合、ソーシャル・プロデューサーとしての視点が、さすがに、的確に盛り込まれているからです。しかも、即座に答えられるのが、すごいところです。きっと、頭の回転も速い方なのでしょう。私などは、文章でならば推敲しながら答えることはできますが、突然のインタビューだったら、いくつか論点を言い漏らしてしまうでしょう。

 まず、大前提としてソーシャル・プロデューサーは、目指すべき社会のあり方に確固たるビジョンがなければなりません。本件のテーマはドローンですが、小泉政務官は人口減少と少子化をいかに克服し「社会の持続的発展」を達成するかを最終目標に論じています。

 次に社会問題解決の方法論をどう認識し、どう組み立てていくかが問われます。私は、1998年に『ボランタリー経済の誕生』という本を共著で出版させていただいたことがありますが、その中で、問題の解決法には「ルール」(法律や自主規制等)、「ロール」(教育や啓発等、人の力)、「ツール」(テクノロジー)という3つのアプローチがあるということ、さらに、解決の主体は、ガバメント・ソリューション(政府による問題解決)、マーケット・ソリューション(市場による問題解決)、コミュニティ・ソリューション(コミュニティによる問題解決)の3つがあるということ、そして、これらの組み合わせが大事だと述べました。