「戦略策定力」と「戦略実行力」がカギ
これまでの25年間の経験で、確実にわかったことがあります。それは、その会社の中枢を担うような経営幹部になれる人と、そうでない人を分ける何かが確かに存在するということです。
では、経営幹部になれる人とそうでない人を分けるものとは、一体何でしょうか?
それは、単なる知識ではなく、実際に現場で使える実学としての経営学を身につけているかどうかにあります。
具体的には、「戦略策定力」と「戦略実行力」を持っているかどうかです。
一つ目の「戦略策定力」とは、何でしょうか。
これは、的確な問題意識を持ち、外部環境や経営資源を正しく認識し、真の戦略にまとめる力のことです。世の中には戦略もどきが、蔓延しています。業績が低迷しているときに「さらなる拡販を目指そう」とか「コストダウンの徹底」など、使い古したスローガンの連呼しかできないようでは、はっきり言ってリーダー失格です。
もう一つの「戦略実行力」とは、何か。
これは、戦略を現場に浸透させながら、併せて現場の主体性を引き出し活性化しながら業績目標を達成していく力のことです。戦略が策定されても、現場は趣旨を理解せず、勝手に動いている企業も実に多いです。
逆に、戦略を一方的に押しつけすぎて、現場がすっかり元気を失っている企業もあります。
もちろん「戦略策定力」と「戦略実行力」と言っても、簡単に身につくものではありません。
この2つの能力を鍛えるのに最も効果的な方法の一旦を、本連載では紹介していきます。