ユーザー主導には、(1)プラットフォームの機能を持った製品を提供する企業と(2)自社の種々のIoT製品とアプリケーションを独自規格で提供する企業がある。サプライヤー主導では、(1)IoTの開発ツールや開発環境を提供する企業、(2)IoT相互通信やサービス連携を実現するハードウェアコンポーネントを提供する企業、(3)開発コミュニティーを作る業界団体、の3つのパターンがある。

 今回は、ユーザー主導のプラットフォームをご紹介しよう。

スマートホームが主戦場

 ユーザー主導のプラットフォームの最初の主戦場はスマートホームだ。狭い場所に複数の機器が存在する環境なので、そこからまずはつなげるニーズが出てきているからではないかと考えられる。

 まず、「(1)プラットフォームの機能を持つ製品を提供するパターン」であるが、すでに何社も参入している。代表的なところでは、IFTTT、AlertMe、Revolv、SmartThings、WeMo、Winkなどがある。特徴はハブとなる機器および、デバイスを連携させるソフトウェアを提供すること。中央に位置するハブにあらゆる通信機能とプロトコルを搭載することによって種々の機器の相互接続を間接的に実現する。ここに挙げたIFTTT以外の製品はすべてこのハブによるスマートホームソリューションを提供している。

 この中で、WeMoはルーターなどのコンピューター周辺機器の大手企業であるBelkinの製品であり、Winkはアイデアを製品に変えるインキュベーターであるQuirkyの製品だ。Quirkyには1週間で4000の製品アイデアが外部から寄せられるそうだが、その流れを利用してWinkにつながるスマートホーム機器の製品を次々に開発する計画という。

 独立ベンチャーであったAlertMe、Revolv、SmartThings もハブ型のプラットフォームを提供してきたが、最近次々に大手企業に買収された。(AlertMeは英British Gasに、RevolvはNestに、SmartThingsはSamsungにそれぞれ買収された。)ハブは、単独では意味がなく他力本願の性格を持っているので、スマートホーム機器が普及するまでは単独事業として成り立ちにくい、という事情がある。

 一方、IFTTTはウェブとスマートフォン上での機器相互接続のアプリケーションであり、ハブ型ではない。簡単な命令文で複数サービスの相互連携手順が記述できる。(IFTTTはその記述を「レシピ」と呼んでおり、現在1日2000万レシピが利用されていると言われている。)機器のソフトウェアをIFTTT対応にする必要がある。

 IFTTTは元々はWebサービスの連動が主眼だったが、iOSとAndroid対応にしてからIoT機器の対応も増加している。ユーザーがいろいろな機器メーカーにIFTTTに対応して欲しい、と要求する例が多く、ボトムアップで機器連携が進む可能性を示唆させる事例として注目したい。