拒絶・伝言症候群に陥らないための
意識の持ち方

 このように、拒絶型症候群も、伝言型症候群も、能動性が低下し、主体的な思考が停止する。さらに他責になる症状であり、他責の症状がさらに主体思考を低下させるという、負の循環に陥る。その結果、モチベーションは加速度的に下がり、パフォーマンスも著しく低下する。上記の兆候がひとつでもあれば、これは、拒絶型人事部や、伝言型人事部に陥り、パフォーマンスが落ちる前兆だと捉えるべきだ。

 にもかかわらず、「労基署が言っている、規程に書いてあると人事が言っているのであれば、仕方がない」と諦観しているのであれば、そうしているビジネス部門にも問題があると言わざるをえない。

 拒絶・伝言型症候群群に陥らないようにするには、どのような意識を発揮したらよいか。カルチャーチェンジのサポートや、プログラムを実施してきた経験を踏まえると、私には、以下の5点が特に重要と思える。

□ 自分自身の利益から離れて考える
□ 誰に従うか、という視点から、離れて考える
□ 180度視点を変えて、考えてみる
□ 内なる声に、静かに耳を傾けてみる
□ 失敗したら、やり直せばよいと腹をくくる

 思考停止に陥ってしまったケースを分析すると、自分自身の利益に敏感になり過ぎるあまり、客観視できなくなったり、規範や上司に寄り添い過ぎたりする傾向が生じ、結果として自分で思考できない状況が発生していることが多い。

 自分自身の利益に拘泥していなくても、固定観念を持ちやすい人もいる。固定観念を持ちやすいと自覚している人は、180度視点を替えて考えてみるという訓練が効果的かもしれない。あるいは、自分自身は、本当にこのように言動することで、納得しているのか、ということを自分の内なる声に問いかけることもひとつの方法である。

 規範や上司の見解に盲従し、思考停止して、拒絶したり、伝言したりしている方が楽である。その枠組みをはみ出して、主体的に思考し言動することはチャレンジングなことであり、勇気がいるかもしれない。その時は、失敗したらやり直せばよいと思い、腹をくくることも有効だ。主体的な思考をできる人は、組織にしがみつく度合いが低く、自身のキャリアプラン、バックアッププランを持っていることが多い。