なぜ、なかなか始められないのか?
このようにパラレルキャリアは柔軟に考えていいのですが、なかなか始めるきっかけがつかめないという話を聞きます。主な理由としては、以下の内容が多いようです。
・本業が忙しくて、それどころではない
・ボランティアを始めてみたいが、いったん始めたらいい加減なことはできない
・自分には、社会活動に貢献できるような特別な能力はない
・どんな種類の社会活動を始めればいいのか、わからない
・自分の年齢だと、社会活動に相応しくないのでは……
実は、多くの方が社会活動に関心を持ってはいるのですが、始めるきっかけがない、ということが実態であるようです。これは本人にとっても、社会全体にとっても、非常にもったいない状況であるように思います。
実は、社会活動の敷居はそんなに高くない
本業の仕事が忙しい、家庭のいろいろな責任もある、それなのに社会活動どころではない、というご意見はよく理解できます。ただ、社会活動の敷居は、思われているほど高くはないのです。
たとえば、今後の連載で紹介するサポートプロジェクト、プロボノという仕組みでは、中間支援団体という、個人とNPOなどを仲立ちしてくれる組織が存在します。
中間支援団体は、3ヵ月から6ヵ月程度のプロジェクトチームを組む役割を果たします。個人は中間支援団体に登録することで、自分の適性(特別な能力でなく)にあったプロジェクトに参加でき、関心のあるNPOへの支援を行ないます。
期間限定のプロジェクトなので、ずっと続けることは求められていません。必要とされる時間は、週に5~10時間程度であり、通勤時間や自宅など、場所を選ばず、スキマ時間に無理なく行なうことができます。参加者の年齢は多様であり、特定の年齢に限定されることもありません。
このように、多くの方が無理なく始められるよう、社会活動にさまざまな配慮がなされるようになってきています。