そもそも「強行」だったのか?
安倍政権に国民は舐められていた

まつい・まさひろ
1979年6月14日生まれ。慶應義塾大学理工学部卒。工学・教育学の2つの修士号を持つ。国家公務員1種法律職試験合格(政策秘書資格取得)。国連英検A級。マッキンゼーアンドカンパニーなどグローバル企業での勤務を経て、国会議員政策担当秘書として政界へ飛び込む。35歳の若さで、第47回衆議院議員選挙に兵庫10区(加古川市、高砂市、稲美町、播磨町)より出馬し、5万1316票を獲得するも落選。一民間人の感覚で政治の現場や裏側を見た経験を活かし、これまでブラックボックスだった政治の世界をできる限りわかりやすく面白く伝えることに情熱を燃やす。

「国民の理解が深まっていない」という批判もあるが、ではいつになったら国民の理解は深まるのだろうか。おおよそ一般の国民全てが法案をきちんと読み、中身を理解することなど考えにくい。もちろん説明責任は政府側にあることは言うまでもないが、むしろ集団的自衛権の行使を容認した閣議決定から1年の月日を経て、多額の税金をかけて総選挙までやって、なお「理解が深まっていない」というのは、むしろ有権者の怠慢のようにも思う。

 まして「自民党感じ悪いよね」などというのは、批判にもならない。ただのイヤミである。国民の命に関わる法律を採決しようとしているときに、なんと幼稚な姿だろうか。野党に投票した有権者は、そんなパフォーマンスを期待して投票したわけではないだろう。

 とにかく筆者がここで言いたいのは、民主主義の名の下、日本の「大多数」によって選ばれたのが今の与党であるということだ。いや、さらに正確に言えば、「昨年12月に投票へ行った人」の中で大多数の有権者からの信託を得て、与党は今回の法案を可決させている。

 つまり、今回の採決は自民党や安倍総理が一方的にやったわけではなく、「あなた」が選んだ結果だということを忘れるべきではないということだ(もちろん、読者の中には自民党に投票してない方もおられるだろうが)。

 安倍総理は、この法案を通したところで、次の選挙で勝つ自信があるのだろう。国民の「大多数」はそれでもなお自民党を支持し続けてくれる、と考えているからこそ、批判されても断行できるのだ。安保法制に反対する人の多くが「選挙に行かなくなる」だけならば、自民党にとっては驚異ではないのだ。

「野党がだらしないから投票したい政党がない」と言う人もいるかもしれない。確かに、気持ちはわかる。民主主義とは「多数決」ではない。話し合いこそが民主主義の本質である。にもかかわらず、なんの説得力もない言葉を掲げて詰め寄るしかできない野党の姿は、支持するに値しないと筆者も感じる。

 しかし、だったら「あなた」が選挙で立候補することだってできるはずだ。立候補したってどうせ勝てない、と思うのならば、やはり「あなた」は大多数の民意を得る自信がないわけで、少数派でしかないということになる。