石油元売り業界は、需要減退や2009年に施行された「エネルギー供給構造高度化法」によって、再編機運が高まっている。

東燃ゼネラル石油社長 武藤 潤 <br />現有の石油精製能力は維持 電力事業投資を本格化するPhoto by Yasuo Katatae

──業界は石油精製能力削減と効率化が求められており、東燃ゼネラル石油もその必要がある。現状の生産設備をどのように評価し、どう効率化していくのか。

 当社の川崎工場は昭和シェル石油グループの東亜石油京浜製油所との協業を進めている。原材料の融通や、半製品や石油精製過程で生産される中間留分をやりとりしている。

 東亜石油には、重油やアスファルトなどの石油精製の過程で生産される重質油を付加価値の高いガソリンや灯油などに精製する重質油分解装置があり、残油処理能力が高い。両工場の効率が上がるように広く深く連携を強化していく。3月には3本目のパイプラインがつながった。

 当社は東京湾に川崎と千葉の二つの生産設備を持っているが、それぞれ得意な分野が違う。ガソリンの生産であれば西の川崎、軽油なら千葉だ。また、千葉は大型の輸送船での輸出が可能で、輸出のための設備が整っている。得意なところに得意なことをやらせるのが基本的な考え方だ。

 大阪の堺工場は今、連携の機会を模索している。社内でプロジェクトを立ち上げており、隣接する三井化学と競争力向上のために何ができるかを考えている。