今日のテクノロジーは
明日には時代遅れになる?
結論としては、ハードエッジ(スピード、コスト、サプライチェーン、流通、資本効率の5つの要素からなる)で優位に立つことは必要だが、それは永遠には続かない、ということだ。最悪の場合には、ハードエッジで成功したことによって、テクノロジーや技法や考え方がいつのまにか時代遅れになるという事態に陥ってしまうこともあるのだ。
グレートカンパニーが持つ「ソフトエッジ」(信頼、知性、テイスト、チーム、ストーリーの5つの要素からなる)の優位性とは多くの優れた企業や素晴らしいリーダーを長年にわたって『フォーブス』で分析し、また本書を書くために取材した結果として、私は次の3点を自信を持って言うことができる。
・成功し続ける優れた組織は、ハードエッジとソフトエッジの両方で卓越している。
・最高のパフォーマンスを得られるかどうかは、どんな状況に対しても、ハードとソフト両面のスキルのバランスを適切にできるかどうかにかかっている。
・結局のところ、ソフトエッジは今ようやく世間に認められつつある。
現代の厳しくグローバルな、「グレートリセット」の時期を迎えている経済において、無視されることの多いソフトエッジで卓越することは、ハードエッジで卓越するのと同じくらい(あるいはそれよりはるかに)重要になるだろう。
今日、あまりに多くのビジネスリーダーが、厳しい経済状況にさらされ、株主に苦しめられて、従業員や顧客が持つより高い価値を軽視しがちになっている。その結果、疎外感や不信が強くなる。そして世界の大多数の人が仕事を面白いと思わなくなる。
この、資本主義が疎外感を誘発するという議論は、資本主義を批判する人たちによってなされることが少なくない。『フォーブス』の発行人としてまたコラムニストとして、自由市場の支持者と同じことを主張させてもらおう。私たちはもっとうまく会社を経営できるし、すべきである。そうすれば、結局のところ、私たちの利益にもなるのだ。