『フォーブス』誌発行人を務め、連続起業家でもあるリッチ・カールガードは「成功し続ける企業」の5つの条件を、ウォール街からシリコンバレーまで全米企業への徹底取材から明らかにした。本連載は『グレートカンパニー――優れた経営者が数字よりも大切にしている5つの条件』からそのエッセンスを紹介する。第4回は、企業の「寿命」と今後生き残るために必須の条件がテーマだ。
25年後にも生き残る企業は
40%以下
次のことをよく考えてみよう。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)株価指数を構成する500社のうち、40年後も選ばれる会社は74社しかなく、消滅する確率は1年あたり10社より多い。
S&P500社の平均寿命はかつては50年以上だったが、徐々に縮み、今では25年以下になっている。将来的には、これから四半世紀の間に主要企業として生き残るのは、今日の主要企業のうち3分の1にすぎないだろう。
こうした現実を考えると、守りの態勢になって、定量化できるもの、合理的なもの、証明できるもの──私がハードエッジと呼ぶもの──に固執したくなるのが自然だろう。現に、投資家はそうするよう要求してくるはずだ。しかしここが、ハードエッジが当てにならなくなるところである。
ハード面での進化がどのような道筋をたどり、どんなペースで進むか、それは私たちにはコントロールできないからだ。もし誰かにできるとしたら、クアルコムやARMやインテルなど、スマートフォンやタブレット端末やノート型パソコン向けに半導体チップをつくっている企業にいるひと握りのエンジニアだろう。
あるいは、グーグルやシスコやファーウェイといった、昼夜を問わず帯域幅容量を増やそうとしている会社のほんの何人かのエンジニアだ。およそどういうことか、わかるだろう。コンピュータ・サイエンスや光符号分割多重の研究を深く行っていないなら、テクノロジー進化のペースをコントロールすることはおそらく不可能だということだ。
ゆえに、ハードエッジで優位に立てるよう最大限に努力し続けるべきだが、その優位性がいつまで続くか予測することはできない。できるのは、テクノロジーの変化に順応することだけ。ただしそれは他社も同様である。