“美は、健康があってこそ成り立つもの”という内外美容の大切さは生活者の間に浸透しつつある。ヘルス&ビューティケアの売場でもビューティをサポートするカテゴリーとして、スキンケアやメーキャップのほかに、コエンザイムQ10やヒアルロン酸などのサプリメントやコラーゲンを配合した、ビューティ系飲料などが多彩に展開されており、すでに定番化していると言ってもいいだろう。

 最近は、オーガニック認証団体の認証を得た、オーガニックコスメや、鉱物などのミネラル成分からなるメーキャップアイテムが市民権を得るようになっていて、このようなナチュラル志向の女性たちに向けた、次なるインナービューティの提案が求められているのではないだろうか。

 その答えの一つとして注目したいのが、ハーブ系飲料だ。希釈して飲むタイプやそのまま飲めるタイプがあり、ライフスタイル提案型の小売店などでは、ハーブ系飲料を集めたコーナーを設けるところも数年前から出始めているほど。

 たとえば、英国では各家庭で民間療法的に飲み継がれてきた伝統飲料「ハーブコーディアル」がある。英国ソーンクロフト社のハーブコーディアルは、それを飲みやすい製法で開発しており、水や湯、炭酸水などで希釈して飲む。

 日本でもデパートやバラエティショップ、エステサロン、レストランなどに展開している。現在6アイテムがあり、食品のため効果・効能はうたえないが、花粉などのアレルギー対策に期待ができるといわれるネトルや、安眠を得たいときによいとされるエルダーフラワー、冷え症の緩和にもなるというピンクジンジャー(いずれも2415円/375ml)が人気だという。

 アインズ&トルペ池袋西武店では昨年11月の開業時から、このハーブコーディアルをビューティフードコーナーで扱っているが、30代から40代の女性に支持されている。「まだ1カ月50本前後の売れ行きだが、徐々にリピーターもついてきている」とアインファーマシーズ商品部の石川香織さん。まだ一般的な認知度が低いことから、プロモーションコーナーで打ち出し、試飲を勧めたりして訴求しているところだ。

 このほかにも、大正製薬が東洋と西洋のハーブをブレンドした美容サポート飲料「密-hisoca-」を開発し、百貨店を中心に販売している。また、大分県にハーブの研究農園を持つ、ファインド・ニューズの、低温抽出したハーブエキス配合のハーブウォーター(368円/180ml)などがある。

 ヘルス&ビューティケアにおけるナチュラル志向は、無農薬や有機栽培の食材を選んだり、無添加の加工食品などを極力選びたいという意識の延長線上にあると考えられる。このような大きな時代の流れをくみ取って、顧客層に提案していくことも、自店の魅力創出につながるだろう。


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