「7月初めに内定が出た企業。その後すぐ、内定者研修の通知が来た。それは、8月1日(※経団連加盟企業の選考解禁日)から4日間続く日程で、『内定者は必ず参加するように』と言われた。このあたりの日は、大手企業が面接などを一斉に行うので、研修に出るとそちらを受けられない。これもオワハラなのではないかと思った」

「内定者と社員の交流会が8月初旬に行われたのだが、時間はお昼から3時頃まで。わざわざ社員が忙しい昼にやるのは不思議だと思ったが、途中でオワハラだと気づいた。結局、その企業には行かなかった」

 このように、内定者の研修や親睦会という形を取りながら、実は「他企業の選考に行かせない」のが日程束縛型のロジック。これも立派なオワハラである。なおこのパターンは、内定者が参加を義務付けられているのが特徴だ。

 そしてもう1つ、内定後のオワハラとして「同情型」がある。これはつまり、内定者の同情を引いたり、心理的な結束をつくったりして、内定辞退をさせにくくする手法。あまり多いものではないようだが、聞いたエピソードを紹介したい。

「内定が出た後、社長自ら高級うなぎ店に招き、おごってくれた。それ自体は良かったのだけど、終盤で『こんな高い料理をおごったんだから、当然ウチに来てくれるよね』と言われて怖くなった」

「内定が決まってから、8月は毎週のように内定者イベントがあった。無料で飲み放題のパーティをしたり、クルージングに招待されたり。そして、社員から『これだけ楽しんでるんだから、ウチの会社で決めなよ』と事あるごとにアピールされた。それがイヤになり、イベントに行かなくなった」

 交渉型ほど直接的ではないが、これらも明らかなオワハラ。そして、このような“囲い込み”は内定者を不快にさせ、遠ざけているのだ。同情型のオワハラに手を染めた企業は、むしろネガティブキャンペーンをしてしまったと解釈すべきだろう。

本当に怖いのは内定辞退のとき
モラル不在の「脅迫型オワハラ」

 ここまで出てきたオワハラの例を見ても、就活生が気の毒でならない。しかし、これ以上に悪質なオワハラはまだ存在する。それが、内定辞退の際に行われる「脅迫型」のオワハラだ。