「脳科学おばあちゃん」として全国のお母さんから絶大なる信頼が寄せられている久保田カヨ子氏。ソニー創業者の井深大氏も絶賛した『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』も緊急重版(第4刷)が決まるなど、好調に推移している。

「いない、いない、ばあ」は、<br />脳の「前頭前野」を鍛える<br />――カヨ子ばあちゃんの<br />子育て日めくり29

このたび、83歳になったカヨ子ばあちゃんが、自身初の『カヨ子ばあちゃんの子育て日めくり――子育ては体当たり。失敗してまた学べばいいのよ。』を出版。
はやくも、楽天ブックスやアマゾンの「子育て」ジャンルで、ベストセラーになっているという。
どんな想いで出版に臨み、どんなことが『カヨ子ばあちゃんの子育て日めくり』に掲載されているのか。
本連載では、読むだけでパパ・ママがホッとしながら、子どもの脳が活性化する「カヨ子ばあちゃん31の金言」を紹介。育児で孤軍奮闘するママ・パパを強力に応援したいと思う。
「脳科学おばあちゃん」にその想いを余すところなく語ってもらった。

ものごとを期待させる
原始的知能の訓練とは?

「いない、いない、ばあ」は、<br />脳の「前頭前野」を鍛える<br />――カヨ子ばあちゃんの<br />子育て日めくり29久保田カヨ子
(Kayoko Kubota) 1932年、大阪生まれ。脳科学の権威である京都大学名誉教授・久保田競氏の妻で2人の息子の母。長男が一級建築士、次男が東京大学に合格。約30年前に、日本における伝統的な母子相伝の育児法を見直しながら、自身がアメリカ在住時と日本で実践してきた出産・育児経験をもとに、夫・競氏の脳科学理論に裏づけされた“0歳から働きかける”クボタメソッドを確立。テレビなどで「脳科学おばあちゃん」として有名。 『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』『カヨ子ばあちゃんのうちの子さえ賢ければいいんです。』『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』(以上、ダイヤモンド社)などベストセラー多数。ズバッとした物言いのなかに、温かく頼りがいのあるアドバイスが好評。全国からの講演依頼もあとをたたない。
【脳研工房HP】http://umanma.co.jp/

 日中、少しずつ目を開けていられるころになると、本格的な訓練が始められます。その1つに、ものごとを期待させるという原始的知能の訓練があります(→くわしくは『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』を参照してください)。

 まず、小さめのガーゼ(一重のあまり目のつまっていないもの、縦横糸を抜いて間引いて目を粗くするのも工夫です。25×25センチくらい)の両端をお母さんが両手でもち、赤ちゃんの視界に正確に入るようにして顔に近づけます。

 赤ちゃんの鼻から口にかけて少し下端がふれるようにふらふらと2~3度動かしてから、あごのほうから目にかけて、フワッとガーゼを落として顔をおおいます。

 そして、すかさず「ぱっ」とか「ばあ」と言って両手でとりのぞきます。

 このときお母さんの顔を見せます。これを2~3度くり返します。

 その次には少し長いあいだ、顔をおおっておきます。
「ばあー」を期待する赤ちゃんが、手足をばたつかそうとする寸前に、「ばあっ」と言ってガーゼをとりのぞきます。

 赤ちゃんがバタバタ手足をもがくまでやらないでください。5回もくり返せば、赤ちゃんにとって一日の勉強としては十分です。

 この“ガーゼの顔おおい”は、「ぱっ」というまで息苦しくても待つこと、すぐとってくれるだろうと期待させること、鼻の上で動くものを意識し、目でものを見ようとすること、鼻の上でガーゼが動くと、そのうちに顔の上に落ちるぞ、と予測させることが目的です。