その認可では、明らかに日本と米国外しが進んでいます。基本的には、アジアと欧州の親密国にしか、認可・設置がされていないのです。この構図は、かなりAIIBを取り巻く関係と近似したものになっています。

 経済は貿易と金融に大別できますが、このままでは、日本は金融面で規制され、半身での商売になってしまいます。結果的に、欧州が目論んでいる「そうはいっても人口13億人の大国で、7%弱の高い経済成長率」の取り込みが困難になってしまっているのです。

(1)人民元決済銀行の設置
 中国と親しい国々には「人民元決済銀行(クリアリングバンク)」を設置し、人民元取引の拠点となっています。具体的には、香港、マカオ、台湾、韓国、シンガポール、英国、ドイツ、フランス、ルクセンブルク、マレーシア、カナダ11ヵ国・地域に広がっています。

 人民元の決済銀行が設置されれば、人民元の利用が拡大し、しかも効率的になるため、貿易面での拡大が見込まれて民間にとっても便益が高い。さらに、金融面でも取引量の拡大につながります。

(2)オフショア人民元建て債券の発行
 
「資金」だけではなく、「証券」でも人民元の拡大が続いています。2012年以降、ロンドン、台湾、シンガポール等でもオフショア人民元建て債券が発行されています。2014年に入り、中国の積極的な人民証券発行についての条件も欧州勢への認可が進んでいます。日本の当局(財務省)も人民元債券の発行を重ねて申し入れていましたが、認可が下りませんでした。

(3)RQFII枠の付与
 証券分野では「機関投資家」の認可も重要なポイントでした。人民元適格外国機関投資家(RQFII : Renminbi Qualified Foreign Institutional Investor)」が認められれば、機関投資家が中国本土以外で流通する人民元を使って、中国市場の元建て株式や債券に投資できるようになります。香港、台湾、シンガポール、英国、フランス、韓国、ドイツ、カナダ、オーストラリア、カタールの10ヵ国・地域とRQFII協定を結んでいます。

 このような日本外しの中での人民元取引の拡大を象徴する2つの事柄がおこりました。