来る10月23日にイギリス訪問を終えて帰国する習近平国家主席は、さっそく26日に第18回中国共産党中央委員会第5次全体会議を開くこととなっている。同全体会議は29日まで開かれるが、国民経済社会発展第13次5ヵ年計画(十三五、2016~2020年)などの重要な問題について議論する予定である。
2016年以降の中国経済は、どんなトレンドで発展していくか、新しい5ヵ年計画の骨格をほぼこの全体会議で決め、来年3月の全国人民代表大会(全人代)で審議して、正式に決定することとなる。
中国国家統計局のウェブサイトで発表された報告によると、第12次5ヵ年計画(十二五、2010~2015年)期間中の中国経済成長率は年平均8%近くで推移すると見込んでいるという。これは同じ時期の世界の年平均成長率、約2.5%を大きく上回るだけでなく、世界主要経済国の中でも上位を占める。十三五期間中にどんな成長率を求めるかについては、世界中が大変、注目している。
全体会議で経済成長目標
引き下げの可能性
新華通信社傘下の『経済参考報』は10月12日、専門家の分析を引用し、経済の下押し圧力が増大する状況から、「十三五」では経済成長目標が「十二五」の7%から6.5%に引き下げられる可能性があると報じた。
ここでひとつ断っておきたい。いままでの5ヵ年計画はいずれも目標を低く立てて、目標以上に達成させていき、政策的余裕を残してきた。たとえば第11次5ヵ年計画(十一五、2006~2009年)の場合、国の定めた目標は7.5%だったが、省レベルでは10.1%に達し、その下の市レベルでは13.1%、さらに市の下にある県(日本では県のほうが市より上だが)となると、なんと14.2%に達した。さらに「十二五」の場合、目標成長率は7%だったが、実際の成長率は8%だった。
「十三五」期間中の経済成長目標の引き下げについては現在も議論がある。中国社会科学院の最新の予想によると、2015年の経済成長は最近では初めて政府の目標を下回る見通しだ。近年の経済成長率の鈍化によって、安定成長の維持はより重要となっており、このため「十三五」で成長目標が6.5%に引き下げられるとの観測が出ている。