たとえば、「毎年○万円貯蓄していくと、60歳時点ではいくら老後資金が貯まっているのか」といった使い方ができる。まずは、「昨年1年間で貯蓄できた額」を実績として試算してみるといいだろう。

 図①は、貯蓄額が「年100万円」と「年50万円」のケースで貯蓄残高の推移を比較したグラフである。

「年100万円」ペースだと、60歳時点で老後資金は約3000万円確保できる。まずまずの結果だ。一方「年50万円」だと、60歳で約1000万円。やや心許ない金額となる。

 毎年貯蓄を続けていくと、年々残高が増えていくが、50代前半で2人の子どもが大学生になると一時的に残高が減少に転じる。年間収支以上に教育費がかかるため、それまで貯めたお金の取り崩しが行われるからだ。

 下の子どもが大学4年生のとき、年50万円のケース(グラフの赤いほう)は、貯蓄残高が180万円まで減る。もし、子どもが留年したり、大学院進学となれば、教育ローンや奨学金に頼る事態になりかねない。こうしたリスクは、事前に予測しておけば対策を考えることができるので、簡易なCFであっても役に立つのだ。

 実際には、毎年同じ金額を20年間貯め続けることはできない。しかし、「現状の貯蓄のペースではマズイことになる」ことを知ることが重要なので、現状の問題を認識するためにぜひやってみてほしい。このペースでは老後資金は貯まらないという試算結果になったら、背筋がヒヤッとするはずだ。