2017年卒学生の採用選考6月解禁の方針が、経団連によって本格的に固められました。恐らく多くの企業では就職情報サイトの営業から新年度の採用についての案内が来ている頃だと思いますが、現時点でもまだ2016卒の採用を続けている企業も少なくないでしょう。

 年度末を迎えるにあたり、採用したい人材を確保するため、ハローワークや都道府県の就職支援事業に積極的に登録している中小企業も数多く存在しています。

 そうしたなかで今回は、人材を確保したいという気持ちが空回りして面接官が陥りやすい罠についてご紹介したいと思います。採用してしまった後、職場がトンデモないことになる前に気をつけたい採用での注意点です。

有名大学生、スポーツ成績優秀者に
ベテラン面接官こそ要注意!

「複数内定がある」と聞くと、面接官は「優秀なのかな?」と思い込みをしてしまいがちです

 面接の方法やかける時間は実に企業によって様々ですが、多くの場合、「コンピテンシー」と呼ばれる自社で活躍するための条件や要件を事前に設けています。数百人以上を面接する大手企業ほどそういった要件を詳細に作成している場合が見受けられます。

 例えば、A部長が面接をすると「採用」となるのに対して、B部長が面接すると「不採用」となってしまう――。そんな人によって評価がマチマチになれば、人材の質が偏ったり、求めている人材像と離れてしまうからです。だからこそ新卒採用であれば複数回に分けて面接を実施したり、複数人で面接に臨むようなシステムにもなっています。

 反面、中小企業などでは、社長が一人ひとりに時間をかけて面接する場合なども見受けます。また最近は特に人材不足という事もあり、企業側も採用の最低ラインを少し下げたり(入社後の可能性を見る採用)、学力テストをはじめとした各種テストの実施を廃止したりしている企業もあります。そういった場合、面接が重要視されるため、過去に数百人、数千人を面接してきたベテランの面接担当者が同席していることも少なくありません。

 ただし、ここでベテランだからこそ陥る罠もあることに注意していきたいと思います。「ハロー効果」などが典型的な例の1つです。