銀行の決済業務は社会インフラとしての使命を背負い、責任を持って行っている。しかも、最近のマネーロンダリング対策等の厳しい法的規制への準拠やシステム対応のために莫大なコストを掛けている。

 銀行の場合、日本での決済は、基本的には日本の通貨である「円」で行う。さらに、決済(為替・振込)は、「銀行間」のネットワークを使うが、先進国では一般的であるが中央機関である「決済システム」を使用して行う。さらに、決済の主体は、顧客(リテール)だけではなく、法人、そして銀行自身も行っている。

 では、具体的に重要なポイントを見て行こう。

(1)決済は通貨

 決済通貨は銀行の場合には日本国内では日本の通貨「円」である。それに対し、フィンテック企業は自社の「企業通貨」であることが多い。外部、たとえばクレジットカードからの入金や、現金によるプリペイドカードの購入などで、企業通貨を獲得する。その企業通貨を使って、商品を購入し、送金する。「企業ポイント」も企業通貨に変換でき、決済に使用できるならば、企業通貨と変わらない。

 企業通貨はその企業が倒産等でトラブルになったときに、紙くずになる可能性がないとはいえない。ちょうど企業振出し小切手のようなものであるから、注意が必要である。このリスクが日本ではあまり認識されていないようである。さらに決済をきちんと実行できるかという事務面の安全性も大事な視点である。決済は企業や個人にとって大変重要なものだからである。

 企業通貨が「電子マネー」であるならば、日本では「資金決済法」に基づき、利用者保護が行われている。たとえば、電子マネーの未使用残高の2分の1以上の保全義務がある。つまり、資金の半分は保全されているわけである。

(2)個人の決済業務

 先にも書いたが、結局、現在では「個人の決済(振込)」がフィンテックの主戦場になってくる。

 しかし、現在の日本国内の決済は、既に優遇サービスの一環として、個人の振込(決済)は“無料”となりつつある。金融庁の「資金決済法」の検討にも参加してきたが、結局、規制緩和をして、資金移動業者のメインのターゲットは海外決済(送金)である。