昨年末、ヤフー個人ニュースで配信した『可視化されない「大人のひきこもり」』の記事は、年内のわずか4日で、150万アクセスを超えた。
こうして、この年末年始もまた数多くの当事者たちから相談などのメールが毎日どっと寄せられ、すべての読者の方にお返事できない状況に申し訳なさを感じている。
同記事では、ここ数年40代以上の相談者が増えているものの、「引きこもり」中核層の存在は「見えにくい」まま長期化・中高年齢化していて、深刻な当事者ほどますます水面下に追いやられ、存在しなかったことにされている現実を紹介した。
メールは、引きこもっている本人や経験者だけでなく、社会と関わっていても先行きが不安定で、「自分もそうなるかもしれない」と将来に危惧を感じる“当事者予備軍”たちからも数多く寄せられる。
周囲の期待する「レール」から何らかの事情でいったん外れると、再び這い上がるのが難しい社会。1年間に何百社と応募しているのに落とされ続け、ようやく採用されてみれば、そこは派遣やアルバイトなどの非正規やブラックな企業だったという声も少なくない。
厚労省が2015年11月に公表した「就業形態の多様化に関する総合実態調査」によると、全労働者に占める非正規労働者の割合は、ついに約40%に達した。中でも、働き盛り世代である35歳~54歳の非正規労働者は年々増加。その非正規労働者の月収は、20万円未満が80%弱を占め、10万円未満も36%余りに上るなど、とても日々生活していけるような状況ではないことも背景にある。
一方、実は同記事の中で触れなかったことがある。これまで「引きこもりの人たちは男性のほうが多い」と定説のように語られてきたものの、見えない「引きこもり女子」の実態も顕在化しつつあることだ。