また、会社で上司などからパワハラやセクハラを受けて辞めざるを得なくなり、キャリアを活かした仕事が見つからなくなる事例も女性に多い傾向がある。とくに地方では、「安い労働力を使い捨てにする」非正規しか仕事がなく、行き場がなくなり、共有できる仲間もいないという問題がある。

 性被害や子どもの頃の虐待など、こころの傷から立ち直れないという深刻なケースもある。しかし、こうした彼女たちの「見えない声」に耳を傾け、寄り添って思いを受け止めてくれる場は、なかなか存在しないのが現実のようだ。

沖縄では「女性が47%」に
統計に表れなかった実態とは?

 沖縄県石垣市青少年センターが昨年2月に公表した実態調査によると、引きこもり状態の人の性別を聞いたところ、「男」は41%だったのに対して、なんと「女」のほうが47%と多かった。これは、離島という地域性が背景にあるのか、調査手法からくるものなのかなど、さらなる考察が必要になるが、内閣府などの従来の公的調査に見られる男性のほうが7割前後を占める割合と違い、「引きこもり」層の女性が数多く潜在化していることを物語るデータとしても興味深い。

 また、ひきこもり家族会唯一の全国組織であるNPO「全国ひきこもりKHJ家族会連合会」の池田佳世理事長によると、引きこもり当事者の約8割は男性であるにもかかわらず、相談者の男女比の印象や文科省の学校基本調査の実質的なデータなどから、不登校者のおよそ半数は女性ではないかと推計している。もしそうだとすれば、当時、不登校だった彼女たちは、学校卒業後、いったいどこへ行ったのか。

「引きこもる」という現象は、男性特有の状態ではない。しかし、権威ある人たちによって「自宅で家事・育児すると回答した者を除く」とされ、なぜか対象から外されていった。

 今年は、こうした見えない「引きこもり女子」たちの置かれている課題についても、少しずつ可視化していこうと思う。