次に挙げるグラフ「首都圏の分譲価格と供給戸数の関係」に見られるように、両者は同じ動きをしている。これは供給戸数の軸を逆さにしたので、価格と供給戸数が反比例することを意味している。この市場規模が大きく変化を示したのは、リーマンショックの前後だけだった。デベロッパーが多数倒産して供給が減っただけでなく、世の中の給与水準が大きく下がったために購入価格も下がった。それまで約3兆円規模で安定していた市場は、2.5兆円以下に急減している。

◆首都圏の分譲価格と供給戸数の関係

徹底検証!マンション価格の潮目はこう変わった(出典)不動産経済研究所

中古市場データは「宝の山」
失敗しないための指針を持て

 新築市場は供給主導で形成される市場である。新築マンション価格は積算価格といい、「土地価格+建築費+事業者の粗利益」で設定されるので、市場で売れるかどうかは誰にもわからない。高かったり、安かったり、値付けミスは常にある。そのため、スタイルアクトが運営する「住まいサーフィン」では、すべての新築物件に対して「沖式新築時価」という価格査定をしている。

 これは、新築価格が発表される前から周辺の中古取引事例を基に算定している。中古は市場で成立した価格が存在し、これの立地や築年などを補正すれば、新築について適正と思われる価格を想定することができる。この「沖式新築時価」は、新築が1年経って中古になったときから逆算しているので、失敗しない買い物にするためのセカンド・オピニオンとして考えてもらえればいいだろう。

 ここからわかることは、新築価格が適正なものであるかどうかは新築同士を比較してもわからず、周辺の中古成約事例が最も参考になる、ということである。どんな新築物件も1年後には中古扱いとなり、中古市場の中で周辺物件と比較されることになる。だから、周辺の中古事例と比較して価格の妥当性を語らなければ意味がないことを、理解してもらいたい。スタイルアクトでは、誰でも地図上で中古の相場感をつかめるように、「マンションマップ」もリリースしたので、参考にしてもらえればいいだろう。

 さて、不動産業者が一般消費者と比べて相場に明るいのは、「レインズ」があるからである。レインズとは、不動産業者だけが見ることができる売出と成約事例のデータベースである。ローデータは一般の方は見ることができないが、統計データは誰もが参照可能である。「レインズタワー」と呼ばれる統計サイトは情報の宝庫で、これを分析すれば市況を把握するのは容易である。昨年10月に掲載した連載第6回「マンション価格がいよいよ頭打ち!今ここで決めたい自宅の売買」は、このデータを分析している。