

タブローの日本法人Tableau Japanの浜田俊社長は、「他の『ビジネスインテリジェンス』と呼ばれるアプリケーションが、ビジネスのためにグラフィックスをどう使うかというアプローチなのに対し、タブローは逆で、グラフィックス技術をどうやってビジネスに使うかという発想で作られたシステム。何が違うかというと、描画速度が抜群に速い。これは他の追随を許していません」と説明する。
とにかく、データを素早く、見やすくグラフ化することに最大限のテクノロジーを投入している。米国の開発部門には、最先端のグラフィックエンジニアが今もどんどん集まっているという。ごく最近も、ルーカスフィルムの元CTOが米国Tableauに入社したそうだ。
データを視覚化することで、なにが起きるのか。浜田社長は、経営の意思決定が速くなることを強調する。
「たとえば九州のあるホームセンターでは、社長が各支店から在庫のデータを集めて、タブローでグラフ化しています。すると、膨大な数の商品のなかから、特定の品物について在庫が非常に多いことが瞬時にわかり、店長と膝を突き合わせてその商品のことだけを話すことができるようになりました。数表を眺めていただけは、決して気がつかなかった問題が発見でき、改善のアクションを起こせることが利点です」
また、ソフト自体の操作が簡単なので、経営者自身が自分の仮説を即座に視覚化することができるのも特徴だという。「誰かにデータのまとめ直しを頼まなくても、経営者が自ら何度でもデータをグラフ化することができます。これが経営のスピードを速くする決め手になります」
タブローは、エクセルのファイルをポンと落とすだけで簡単にグラフを作成することができるアプリケーションだが、すでに業務で使用しているシステムとのデータ接続も可能だ。その際、データを視覚化するために従来は用意しなければいけなかった「中間データ」を作る必要がない。そのため、ビジネスの生データから何度でも分析のやり直しができる。例えば顧客管理(CRM)の情報を欲しい時に取り込んで更新したり、社内の人事情報を集めて、「タレントグラフ」化することもできる。
こうしたグラフの集合体を、経営者は「ダッシュボード」として1画面にまとめて確認することができる。毎朝ダッシュボードを確認するようにすれば、複数の資料に分かれた数字を追わなくても、異常値はグラフの形や色の変化としてすぐに目に入ってくる。