「会社のため」ではなく、
「社会のため」で成長

日本人起業家のあいだでも、「求人を出すときには、金銭的な報酬だけを提示するのではなく、社会的意義をしっかりと示したほうが、優秀な人材が応募してきてくれるようになった」という話を聞いたことがあります。

明らかに、働くことに対する価値観が変わってきているようです。ビジョン型リーダーは、この価値観のシフトを確実に押さえておくべきです。実際、「会社のために頑張ろう」ではなく、「社会のために頑張ろう」というアプローチで、成長している企業がたくさんあります。

18歳で起業し、上場を成し遂げた株式会社じげん(本社 東京都)の代表取締役・平尾丈さんは、起業した理由をこんなふうに話してくれました。

「火事だと言われて、火を消す人と、見ている人と、逃げる人がいますよね。私はやっぱり火を消す人がかっこいいと思っています。そういう人間になりたいと思って起業しました」

求人・住まい・結婚などの情報プラットフォームを展開しているじげんですが、多くの人の役に立ちたいという思いが、競争の激しいインターネット・サービス事業を成功に導き、上場を成し遂げました。

「社長トーク」にお越しいただいたときに31歳だった平尾さんだけでなく、同社に入社してくる若者たちにも、大震災などの惨状を見たらすぐに「何かできないか?」と考えるような人が多いそうです。